※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
News Photo

一方、国が漁協への同意を申請したことについて20日の一審で全面敗訴したアセス訴訟原告団は26日、次のように話しました。

原告団長の安次富浩さんは「どんな事務手続きがなされようが、私たちはここに作らせない」「まず知事は県外と言ってますから、私たちは知事に対しては、埋め立ての申請が出されてもじっくり考えてほしい」と強い口調で話しました。

また原告側の証人である沖縄大学の桜井国俊教授は「アセスの手続きももう済んだと、その次の手続きとして地元漁協の同意を取り付けると、3月と言われてますけれども、知事に埋め立ての申請をするということで動いているんだろうと思います」

「国はいわば、この訴訟では勝ったというような、位置づけで前に行くと、そういう意味では連動しているようにも思いますよね」と話していました。

島袋記者に聞きます。日米首脳会談で普天間基地の辺野古移設ということが確認されたのを受けて政府は早速手続きを進めてきたようですね。

記者:名護漁協に対し埋め立ての同意を得るのは県への埋め立て申請に向けた前提条件とされています。漁協では今後 防衛局との漁業補償の交渉窓口となる「交渉委員会」を開きます。そして役員会を開き、交渉委員会で検討されてきた内容を報告します。そしてこの後総会を開いて95人の正組合員の過半数が出席し、そのうち3分の2の人の賛同が得られた場合埋め立てに同意することが正式に決められます。

漁業補償に関しての交渉が終わった段階で漁協は埋め立てに同意することになるのでしょうか

記者:上京中の名護漁協の古波蔵組合長はインタビューで次のように話し、漁業補償について決着がつく前でも条件付きで同意することはありうるとしています。

古波蔵組合長「補償が終わってからだといつ終わるかわからないので、まず総会の判断をいただいて」「総会の中では同意書を同意していただくという決済をとりたいと思います。その後に、条件付きというのは交渉など含めて、交渉委員会、役員会に一任していただきたいという決議をしたいと思います」

このまま、漁協で埋め立てに対する「同意」が正式に出され県への埋め立て申請という風に辺野古への基地建設はどんどん進められていくんでしょうか。

記者:古波蔵組合長は組合内では99パーセント同意が得られると話していますが、一方で県に埋め立て申請が出された場合、意見を聞かれる名護市の稲嶺市長は基地建設に強く反対していますから、このままスムーズに辺野古への着工とはいかないと思います。

古波蔵組合長「埋め立て予定地は160ヘクタールと言われているが、一般的に自由に漁業活動ができない地域で、演習地域に入っているんで、それを早くけりをつけてくださいという漁民ですから、私の感覚では99パーセント同意が出ると思う」

稲嶺名護市長「国が手続きを進めたとしても先ほど言ったように県内の今政治状況を含めて県世論の高まり含めてとてもそれが許される状況ではないという風に思っている。」「地元・名護市長としてもこれまで通り辺野古の海にも陸にも作らせないと言ってきたわけですからそのことをしっかりと認識してもらいたい。私もまたそれをずっとしっかりとまた貫いていきたいと思っている。」

記者:名護漁協は埋め立てに「同意」したとしても名護市の反対の姿勢は固く、仲井真知事も県議会も「県外移設」を求める状況は変わらないわけですから、政府が手続きを進めていくことは県民を混乱させ、反発を広げることになってしまうと思います。