名護市辺野古の沿岸部を埋め立てる申請に向け、26日、防衛省は、漁業権を持つ名護漁協に対して、同意を求める申請文書を提出しました。
名護漁協によりますと、26日8時55分ごろ、沖縄防衛局の職員が漁協内の競り市場を訪れ、漁協関係者に、申請書を手渡したということです。漁協関係者は当時の様子を次のように語りました。「1枚です。(A4で?)A4です」「(前もって電話があったんですか?)今日ありました」「(組合長から受け取っておくようにという指示だったんですか?)受け取る準備はしておけというのはあったので」
このように埋め立て申請に向けた政府の動きが活発化する中、小野寺防衛大臣は「今回の埋め立て申請一連の手続きの中で、名護漁協の同意も必要だということですから、事務的な手続きを淡々と進めていきたい」と述べました。
また岸田外務大臣は「仮にこうした手続きが進んだとしても信頼回復、信頼構築については、今後も努力していかないといけない」と述べていました。
一方、仲井真知事は、公有水面埋め立て法に基づく手続きの進捗については、コメントする立場にないとして、明言を避けました。「僕に聞いても僕は何とも言いようがない。公有水面埋立法という法律があるんだから、それに基づいて手続きをすることについて、ああだこうだ申し上げるのは、やっぱりちょっと如何かと思いますよ」
一方、佐喜真市長も次のように話しています。「当然、根本的に県民の願いはベストは県外ということはわかっておりますけれど、いずれにしても政府がしっかりと対応して頂けるものだと思っております」
防衛省関係者によりますと、名護漁協と防衛省の間では現在、漁業補償について、交渉が続いているということです。今後は、漁協の役員会や総会で、埋め立てに「同意」するかどうかが、諮られることになり、漁協の同意書が得られた段階で、県への埋め立て申請が提出されると見られています。