スポーツシーズン真っ盛りの今、県内のグラウンドや競技場で活動する「芝んちゅ」という方々がいます。しばんちゅ、いったいどんなものなのか?まるかじりしてきました。
今回はスポーツ選手… の足元、この芝を専門的に管理する、その名も『芝人(しばんちゅ)事業』をまるかじりします。
芝人事業とは、県内のグランドの整備のために‘芝のプロ’を育てる事業です。これまで県内のグランドは芝がはがれ、地面がむき出しになっているなど、決して良い環境とは言い難い状態でした。
実際、この影響でキャンプに来るサッカーチームも減ってしまっているのが現状です。去年12チーム、今年9チームです。
県文化観光スポーツ部平田大一部長「その理由は芝の管理。芝の環境の整備がまだまだ足りないというところがございまして。この芝のメンテナンスをする専門人材を作っていこう、これが今年度県がさっそく仕掛けた取り組みです。」
こうして始まった芝人事業。現在は一般応募の中から選ばれた5人が指導員の石井さんのもと県内各地で芝の整備をしながら学んでいます。道半ばの事業ですが、県内のグランドには既に大きな変化が起こっています。
これは1年前の沖縄市陸上競技場の様子です。現在はこちら。綺麗な緑色の芝が広がっています。その他の県内のグランドにも見違えるほどの変化が起きています。
実際にプレーする選手達からの評価も上々です。FC琉球、Jリーグでの経験を持つ我那覇和樹選手「本土に比べてそんなに差はないと思いますし」「今日も朝雨が降ってたんですけど、濡れながらグランド整備してくれていたので本当に胸を打たれましたし、自分たちは良い環境の中で(練習)させてもらって感謝してます」
日々良くなっていくグランド。今回はこのグランドはどのように整備されているのか見ていきます。
芝人事業の石井さんに芝の修復作業を教えてもらいます。よろしくお願いします! まずは芝刈り機から! ちなみによく見るグランドの縦縞模様、実はこれ、芝を刈った向きなんです。ですので、見る向きを変えると…模様も逆になります。
さぁいざ挑戦!あれ?い?曲がってる!まっすぐのつもりがこんなに曲がってしまいました。グランドの起伏などを読み取って、微調整をしなければまっすぐに進むことはできないんです。
続いて次は目砂という作業です!ぬぬ!めずな?サッカーとかで利用するとどうしてもスパイクの跡とか傷ができ るんですけど、それを砂で補修してあげるという作業になります。この砂には芝の種も混ぜられていて、補修しながら芝を育てる工夫がなされています。
最後はこのヘキサゴンプラガーを使ってひどく傷んだ芝の抜き替え。今回はコートの外側の状態の良い芝と入れ替えます。頑張りすぎると周りの芝生も踏んじゃっているので慎重に!はぁできたぁ。。傷んだ芝をここに埋めて回復、夏場は1か月未満で回復です!
きれいな芝をコート内に戻し、修復完了です。現在のきれいになりつつグランドはこのような地道な作業の上になりたっているのです。最後に石井さんにこの芝人事業に思うことを聞きました
石井さん「何とかしようと思っている人はたくさんいるんですね(研修生には)自分が自信を持って提供できるグランドをたくさん作ってほしいですし。それで県内の環境の整備であったりとかキャンプの誘致のクラブが増えるだとかそういったことにつながれば嬉しいなと思いますね」
決して派手ではないけれど、とても重要な仕事。芝人の奮闘はこれからも続きます。
悟堂さん芝を管理する、こんな仕事があるってことがまず驚きですね。
そうですよね。県の一括交付金を利用して始まったこの芝人事業、始まって4か月でグラウンドが見違えるようになりました。きれいな芝の裏には、地道な作業があることを知っていただければと思います。