政府は、普天間基地の移設に向け名護市辺野古の海面埋め立てを3月にも県側に申請する方向で検討していることが明らかになりました。
政府は20日午前、菅官房長官や岸田外務大臣、小野寺防衛大臣ら関係閣僚が集まり、先週末に岸田大臣が沖縄を訪問した際の報告など、普天間基地移設に向けた意見交換を行いました。
政府としては3月にも県に埋め立て申請をする方向で検討を進めていますが、22日の日米首脳会談では具体的な時期は示さず、普天間移設も含め、日米合意を着実に進める姿勢を示すにとどまる見通しです。
菅官房長官は会見で「今回は外務大臣が沖縄を訪問されたので、その結果について4大臣と共有したということです。具体的な(申請の)タイミングはまったく決めておりません。総理が首脳会談でそうした埋め立ての時期等に言及する予定にないと承知している」と話しました。
ただ、許可権限を持つ仲井真知事は、県外への移設を譲らない考えで、申請しても承認される見通しは全く立っていません。
仲井真知事は「僕は東京に行きますから、21日に可能なら官房長官にも会いたいと思うので、ちょっと確認してみる。公有水面手続き法に基づく処理ということに当然なると思いますが」と話します。
地元の理解を得ないままアメリカとの信頼関係のみを構築しようとする政府の態度に、県内の不満はさらに募りそうです。
一方、国が県に埋め立て申請を出す際に同意を求められるのが名護漁協ですが、今のところ国から手続きに関する相談はなく、役員会や総会を開く予定はないということです。
古波蔵広・名護漁協組合長は「うちの方にも、埋め立て申請に出す添付資料、同意書が必要だと思うので、同意願いは来ると思う。それがきてからしか対応できない。国からのアクションがないと、議題が作れないから、来て初めて、どうするか決める」と話します。
また、移設に抗議する市民グループらは、国の埋め立て申請を知事は断固として承認しないよう求めています。ヘリ基地反対協の安次冨浩共同委員は「知事は辺野古の海、大浦湾は県条例でも手を加えてはいけない地域と位置付けているわけです。そういう意味では県条例の趣旨をいかして、この埋め立て申請に対し却下してくださいという運動をこれから強めていきます」と話していました。