釣りは楽しいものですが、釣り場を散らかす人々の存在が問題になっているのも悲しいことに事実。そこで、釣りをしながら海をきれいにというイベントが行われました。その名も「釣リーンピック」です。
沼尻アナ「現在朝6時半、まだ日も昇っていませんが、このように多くの人が集まっています。今回はこのイベントをまるかじりします!」
早朝から集まっているのは「釣リーンピック」の参加者たち。これまで県内では、拾ったゴミの量を競う「クリーンピック」が行われてきましたが、今回は釣り人にも参加してもらおうと釣りの部が追加され、「第1回釣リーンピック」の開催となりました。
なお、ルールはご覧の通り。総合優勝するためには釣りだけでなく、ゴミをしっかり拾うことが求められます。場所は「県内の海岸」。総合優勝のチームには賞金20万円です!
『3・2・1・ピ~~~~』全23チーム、115人が一斉にスタート!
ここからは参加チームの一部を紹介!ユニークなコスチュームで登場したのは…。ギノデンジャー!ちょっとコスチュームがきつそうですが、このチームは過去のクリーンピックの常連チーム。地元・宜野湾でごみを集めていきます。
ギノデンジャー「やっぱり地域がきれいになっていくっていうのは良いですよね」
また今回新たに追加された「釣り部門」。海を愛する気持ちは、釣りの愛好家も一緒。釣りを楽しみながら清掃活動もやっちゃおうということで、県内各地から多くの釣り人達が参加しました。
フィッシングメイトとまと「日頃海にいろいろ恩恵を受けているので、ゴミなどを取って貢献できればなと思っています」
そんな中、唯一の高校生チームも!前原高校の英語科に通う3年生5人のチーム「一夜ノ島」。
チーム「一夜ノ島」當山真鈴さん「みんな3年生で、卒業後、県外に行く子もいるので、最後に思い出づくりになったらいいなと思って参加しました」
良い思い出を作りたい。その思いに魚も釣られたか?しかし残念ながらこれは20センチ以下。それでも既に1匹釣れていて、ゴミも懸命に拾いました。
チーム「一夜ノ島」リーダー・比嘉匡くん「(目標は?)優勝です!」
競技開始から9時間。参加者たちが計量のため、続々と帰ってきました。
ゴミの量は想像を絶するほど。この日だけでおよそ4トンのゴミが集められました。そのゴミが集まる様子を見ているのは大会実行委員長の金城浩二さん。
金城浩二さん「これだけ集まった分だけ、昨日よりその場所はきれいになっている」
金城さんは、地上でサンゴを養殖し海に移植する活動を続けています。沖縄の海が汚れていくことに、つねに危機感を覚えているのです。
金城浩二さん「サンゴの問題ってサンゴっていう生き物自体の問題じゃなく、こういう環境的なことで、社会問題だと思う」
中身が入ったままの冷蔵庫やテレビ、洗濯機。すべて不法投棄された物です。これが沖縄の海の現状でもあるのです。
沖縄の海を守るために、私たち一人一人ができることは何か。金城さんは閉会式でこう語りました。
金城浩二さん「僕らはこの悲しいことをどうにか楽しいことに変えていくっていう思いで、こういうイベントを始めました。ずっと沖縄の海のために出来ることをみんなで頑張っていきましょう。
そして成績発表!賞金を獲得したのはご覧の3チーム。なお、チームギノデンジャー、高校生チームもそれぞれ、ゴミ部門1位(426kg)、特別賞を受賞しました。
沖縄の海の現状を知り、そして少しでも大好きな海をきれいにできたという達成感。参加者の表情はとても晴れやかでした。
ギノデンジャー「誰かがゴミを集めなきゃいけないってなった中、こんなに楽しみながらできたっていうのは、とっても良かったなと思いました」
チーム「一夜ノ島」吉里優太くん「来年、釣リーンピックのために戻ってきて、この5人のメンバーでリベンジをしたいと思います」
今回合計で4トンのゴミが集まったということなのですが、その中にはブラウン管テレビが55台、冷蔵庫3台があったということです。これまでクリーンピックも主催してきた金城さんによりますと、粗大ごみの処分にお金がかかるようになってから、不法投棄が非常に増えたということです。
沖縄の海を守るためにも、私たちの行動もそうですが、行政の動きも必要だと金城さんは話していました。