先月4日にオープンした那覇市役所新庁舎、その周辺では活性化に向け動き出しています。
先月オープンした新庁舎。ここで働く人の数はおよそ1500人です。新庁舎が作られたのを契機に、泉崎1丁目では3年前に商店会が設立されました。街の活性化を目指す商店会の活動を紹介します。
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正午ごろの那覇市役所前お昼時、多くの人が庁舎から出てきます。さて庁舎の隣、泉崎1丁目の人気はいかがでしょうか。
女性「(Q.市役所が移転してランチを取る場所はどうしてますか?)2階の食堂かパレットです。」
男性「お弁当が基本ですね。(Q.ちなみにお弁当はどの辺で?)売店に売ってありますから。」
男性「この泉崎1丁目近辺ですね。もっとランチをやるお店が増えたらいいなと思いますけど。」
市役所のお膝元といえる泉崎1丁目ですが、周辺店舗の認知度はまだまだ開拓が必要です。
約30年泉崎で理容室を経営する増村貞則さん「30年前を考えたら(お店が)できてはつぶれできてはつぶれという中で、お客さんのニーズにこたえてない部分が多かったんじゃないですかね。隣に店ができてもオーナーさんがだれかわからない状態。」
個人経営の店舗が激しく入れ替わり、横のつながりも薄かった泉崎。3年前、市役所建て替えに伴って、仮庁舎がおもろまちへ移り、その年の各店舗の売り上げは、平均3割から4割の激減となりました。
増村さん「ある人が苦しくなって行政側に相談に行ったらしんですよ、そしたらやっぱり1人では行政は動かないんですよ」
一市民の力で乗り越えるには困難な状況に。街の人達が初めて手を取り合いました。3年前に設立した泉崎1丁目商店会です。
会合の様子「ホームページを作るにしてもチラシを作るにしても大体9割は(那覇市が)助成してくれる」
商店会でまず作成したのが、加盟店舗を紹介するパンフレット。作成したのぼりには「人情の町」と表示。街のつながりを深めたい、そんな思いからです。
各店舗にも変化が。
焼き鳥屋を経営する大谷さんは、市役所の移転に合わせランチ営業を始めました。店の片隅には募金箱を置いています。通りに灰皿やごみ箱を設置するための資金集めの一環です。
大谷さん「市役所が戻ってきて、はいやったっていうことではなく、いない期間中にどうやったらいい店になるかとか、できるだけ気持ちよく通ってもらって、きれいな街づくりを商店会としては目指して。」
沖縄の商業の中心だった各商店街は今、不況や大型商業施設の進出、ライフスタイルの変化などでその求心力は急速に低下しています。歯止めを掛けたい各商店街は、行政の支援を受けながらそのあり方を模索中です。
那覇の暮らしの中心を担ってきた平和通り商店街。しかし現在は、お土産屋が並び観光客ばかりが訪れ地元を支えた店舗の閉店が相続いています。
金城忍さん「実はマチグヮーコンパっていうイベントをやったことがあって、若い子たちから問い合わせがあったんですけど、平和通りっていってわかんないんですよ」
平和通りでは地元の人が街を訪れる機会を増やしたいと商店街では毎年、子ども800人が集まるハロウィンパーティを実施。
空店舗を利用し、歌やお笑いを無料で楽しめるひやみかちマチグヮー館をオープンさせるなど、地元の人が街を訪れる導線作りを考えています。
金城忍さん「これから商店街のあり方って大切ではないかと、地域コミュニティがどんどん薄れている時だからこそ地域の結びつきが必要になってくると思うので」
街の元気と結束を高めるためこんなユニークな活動も実施。
泉崎一丁目でも話し合いは続きます。
会合の様子「ホームページやアプリを作るにあたって道の名前を付けたいなって」「確かに自分たちも店を説明するのに(目印がなくて)困りますからね」「募集をかけるっていうのも面白いですよね、会員のみなさんにこういう風に街を変えたいってアンケートをとって」
焼き鳥屋の大谷さんも、会長の泉川さんのお店で意見交換です。
大谷さん「パラダイス通りもそうですよね、最初につけた人がいたんでしょうね」
みんなで考えれば地域は変わる。各店舗から街の活性化につながるアイディアが生まれています。地元の人があふれる、そんな将来を目指して。
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衰退する商店街を支援しようと行政も様々な助成を行っていますが、魅力的な街を作るために1番欠かせないのは、地域のつながりだと感じました。仕事もしながら、地域の発展のためにも尽力する皆さん、とても忙しいはずですが、笑顔で活動を続ける様子が印象的でした。