きのう県が開いた東日本大震災支援協力会議のニュースをお伝えしましたが、その中で明らかになった数字があります。そこから見えてきた、沖縄に避難してきた人たちの現状を聞きました。
東日本大震災から1年10ヵ月。きのう県が開いた会議の中で示されたある数字。これは、県が受け入れた被災者の数です。震災以降増え続け、実は今、最も多くなっています。そしてそのほとんどを占めるのが福島県からの避難者です。
沖縄じゃんがら会・桜井野亜代表「本当に子どもを育てていける場所なのか、生活していける場所なのか。その中にはものすごい葛藤があって、出るべきか否か、何が正しいのかがあって、やっと出てきたんだと思います」
福島からの避難者を集め、イベントや情報交換などの場を設ける沖縄じゃんがら会の代表・桜井野亜さんです。実は桜井さん自身も生まれ育った故郷・福島を離れた一人。子ども達を守るために仕事も家も手放し、沖縄に避難しました。
桜井さん「うちの子は発疹がバーっと出て、二人とも目の下にものすごいクマを作っていて。もしかしたら自分たちの子どもにも被ばくによる健康被害の可能性があるかもしれないと」
『子どもに何かあってからでは』桜井さんと同じような思いで避難してきた人は多く、県が去年行った避難者へのアンケートでは、避難世帯の半数以上が子どものいる世帯だったこともわかっています。
また、滞在予定期間については、このまま沖縄での生活を考えている人が51%。放射能の心配がなくなるまでと回答した人も35%いました。
【復興】という文字からは遠い現実。それは福島原発事故が収束していないことにあります。去年12月沖縄で初めて開かれた東京電力による賠償説明会。被災者から何度も要請を受けて実現しました。
参加者「東電は我々の追及が厳しかったので頭を下げたまま」「生活ギリギリで避難してきて、すべて捨ててきているので、精神的にも責任をとって認めてもらわないと」
今後のことや健康被害、避難者の不安は尽きません。そんな避難生活の中で、同じ避難者から相談を受けていた桜井さん。集まることで少しでも不安を解消しや楽しみを見つけよう去年3月に「沖縄じゃんがら会」を設立。現在では285人の会員がいます。
桜井さん「まだ外に出ることができない人もいますが、少しずつ(避難者は)鋭気を養い、少しずつではありますが元気を取り戻しつつあります。ご支援本当にありがとうございます」
県では被災者への住宅補助については1年間の延長。被災者支援活動への助成金についても同規模の予算を組んでいます。東日本大震災からまもなく2年。被災者への支援が必要な状態は続いています。