先月24日、クリスマスイブ。沖縄に新たな航空会社が就航しました。LCCと呼ばれる格安航空会社「ジンエアー」です。
この日の那覇の最低気温は14度県内各地やや肌寒く感じましたが…。
家族連れ「暑いです、服が。暖かいクリスマスを過ごしたいです」
男性「(ソウルは)マイナス13度なので本当に寒いです」
韓国の観光客にとってはうれしい限りの気候です。
LCCのジンエアーは20~25%割安と言われ、以前から就航するアシアナ航空が、家族連れや比較的上の年齢層をターゲットとするのに対し、そのターゲットは若年層。沖縄にとって新たな顧客層と言えます。
1日2便となった沖縄韓国間の定期便。今年度、過去最高だった去年度の2万6000人を上回ることはほぼ確実で、県は韓国路線をさらに増便したいと考えています。
沖縄コンベンションビューロー 海外プロモーション課 玉城課長「日本から見て一番多い外国人観光客って韓国なんですよ。もっとも多かった年には年間260万人近く来てました。それを考えると沖縄に来ている観光客の数ってまだ数万人レベルですので。もっともっと沖縄にきていただけるんじゃないかって、相当ポテンシャルは高いと思っています」
韓国メディア到着「アンニョハセヨ~」
県は今回の就航に合わせ、韓国の新聞・雑誌記者、そしてジンエアーの職員を集めメディアツアーを企画しました。彼らは沖縄をどう見るのでしょうか…。
「韓国メディア:これは(水槽の水は)海水ですよね、水の管理はどうしているんですか?」水族館ガイド「目の前の海からパイプをひっぱってきて全部の水槽に新鮮な海水が入る仕組みになっています」韓国メディア「循環しているんだ、ああ」
沖縄が誇る水族館を、皆さん満喫しているようです。
しかし各観光地を視察するなかで、こんな課題も指摘されました。
ファイナンシャル記者 チェ・スンウンさん「韓国のお客さんがたくさん来るようだけど、韓国語での説明書きなどがもっとあったらわかりやすい、そこが残念でした」
そして課題はもう一つあります。このツアーの中でも、頻繁に利用していたスマートフォンやタブレット端末など、ネット環境についてです。
國民日報 パ・カンサブさん「特に若い人たちのために、韓国ではほとんどの人たちがスマートフォンを使って旅行をしています。韓国語でできた沖縄を案内するスマートフォンアプリケーションを早く開発すれば大きな旅の助けになると思います」
課題は、アプリケーションの少なさだけではありません。無線LANで高速インターネットに接続できるWi-Fiスポットの少なさも沖縄の課題。
一方の韓国は、国をあげてアジアで最も早くブロードバンド回線を整備した「インターネット大国」です。韓国では多くの施設にWi-Fiが設置されスマートフォンの普及も日本以上に進んでいます。
沖縄コンベンションビューロー 海外プロモーション課 玉城課長「沖縄に来た韓国人だけじゃなく外国人観光客がWi-Fiにつながる環境がないというのが一番の問題なんですね。これを県・コンベンションビューロー、那覇市も含めて連携して整備をしていこうと話をしています」
今や、ネット関連の充実は海外観光客の受け入れに欠かせないツールと言えます。
河合リポ「日本以上にネット利用が進む韓国に向けて、県は去年11月、フェイスブックの韓国ページを本格運用し始めました。運用から2か月で、“いいね”の数は6600件を超えています」
そのページを評価した人がクリックする“いいね”のボタン。今後沖縄に呼び込みたい「若い世代」の関心を引いています。
海外プロモーション課 韓国担当 オムさん「ほとんど20代30代の若い層が多かったっていう傾向があります」「1週間で1000人1000人1000人と増えていたので」「フェイスブックの流行が大きい影響を韓国はもっているんじゃないかなっていう」
今このフェイスブックで、特にプロモーションしているのが2月の沖縄マラソン。韓国で起こるあるブームが理由です。
國民日報 パ・カンサブさん「今韓国は健康についてとても関心が高いです。ウォーキング・サイクリングとか最近はヒーリングツアーについて関心が高いです」
「ヒーリング」が1つのブームになっている韓国。その手段は日本よりアクティブで、ジョギングやサイクリングなどのスポーツツーリズムに関心が高まっているのです。
メディアツアーでは、ちょっとハードなアクティビティ施設に挑戦してもらいました。
ジンエアー パク・ジャンフンさん「この自然環境をより発展的に活用できることについてとても感銘を受けました。そして、自然をただそこにおいておくだけじゃなくて、その中でもう少し人が安全に楽しめるようにしようという発想がとても良いものだと思いました」
暖かい冬場の環境と自然豊かな景観を楽しむアクティビティ。冬の沖縄の魅力はさらに高まる可能性を秘めています。