続いては、サッカーFC琉球。チームの成績不振の責任を取り、わずか1年目の今シーズン限りで退任する松田監督の下、きのうシーズンの最終戦を迎えたFC琉球。松田監督がチームに残したメッセージとは・・・。
約3200人が注目した、きのうのJFL今シーズンの最終戦、リーグ10位のFC琉球は、各上7位の「ミオびわこ滋賀」と対戦。
この試合、チーム不振の責任をとる形で、監督1年目でありながら、松田岳夫監督がチームを去る最後の試合でもあり、特別な想いでピッチに立つ選手がいた。それがキャプテン我那覇和樹。
我那覇和樹「(松田監督が)こういう形で変わるというのは非常に残念ですし、僕もキャプテンとしてすごい責任を感じています」
子どもたちの声「ガンバレFC琉球~」
先週水曜日、ラストゲームを前に最終調整に汗を流したFC琉球。そこに、我那覇の姿があった。
去年、故郷沖縄に戻り、2年目の今年はキャプテンとしてチームの勝利を誓いスタートした我那覇だったが、中盤チームは失速新監督して迎えた松田監督は、チームを去る結果になった。
我那覇和樹「監督はいろいろ指示してくれるけど、ピッチの中でやるのは選手なので、もっともっと選手が考えて行動できるようにならないと、このチームは強くならないと思っています」
2年連続で監督交代となるFC琉球。プロの世界の厳しさだが、そこには選手一人一人の「自覚」が求められると我那覇は言うのだ。
我那覇和樹「来年につなげるためにも是非勝って、サポーターの皆さんと喜びを共有したいと思っています」
きのうの最終戦!ホームで、サポーターへ勝利を送り、松田監督の花道を飾りたい。FC琉球の選手の気持ちは、この日一つだった・・・。
試合開始からわずか10分、攻め上るFC琉球は24番田中靖大(やすひろ)がゴール前に出したボールに4番松浦が合わせ先制点を奪う!
その後、守備でも相手にプレッシャーをかけるFC琉球。しかし、隙を突かれきわどい場面も・・・。1点リードで前半を折り返すも、後半はミオの攻撃をしのぐ、苦しい時間が過ぎていく。
我那覇和樹「泣いても笑ってもラスト試合ということで、ひとつでも上に行くためにも勝って終わりたいと思っている」
絶対に「勝って終わりたい」もどかしい時間帯で、松田監督が動く。後半20分過ぎ、今シーズン19得点を挙げ、得点王争いで2位につけるも右足のケガから試合を離れていた11番FW高橋駿太を投入する。
これがあたる!ピッチに入ってわずか1分後!しかし、これは無念のオフサイド
一方、追いかけるミオも黙ってはいない。激しい攻防の末に後半38分・・・。ついに同点に追いつかれたFC琉球。しかし・・・。
高橋駿太「残り20分で全力でプレーしようと決めていたので、すごい声援が力になったと思います」
同点からわずか1分後!ゴール前、高橋が自身、得点王を決める!逆転の2点目を叩きこむ!
松田岳夫監督「彼は得点王を獲りたいという気持ち、それ以外の選手達も彼に得点王を獲ってもらいたい。そういう気持ちが一つになったゴールだなというのはすごく感じた」
ロスタイムに入るとFC琉球、怒涛の攻め!まずは我那覇!続いて16番小幡!
終わってみれば4対1の圧勝で最終戦を飾り、順位も9位に上げたFC琉球。松田監督から学んだプロとしての「責任と自覚」が、最後に形になった試合だった。
松田岳夫監督「本当にここから上に上がっていくことが大変なんだということを伝えたかった。なかなか伝わり辛いことですけれども、少しでも伝えることができたというのは自分の中ではプラスだと思っているし、ここの選手達のそれが財産になってくれれば良いと思っています」
我那覇和樹「(今年初のキャプテンとして迎えたシーズンだった)1年1年監督が変わるようじゃあチームとして成長できないと思うので、もっと個人個人が責任と自覚、そして覚悟を持ってやる必要があると思っています」