オスプレイ飛来から一月。今日はオスプレイの主な訓練先の一つである北部訓練場に隣接する東村高江の現状です。新たなヘリパッドの建設に反対し、5年前から座りこみが続いている地域ですが、昼も夜もオスプレイが飛来するという、最も恐れていた事態が現実になっています。
10月1日。オスプレイ帰れの声が上がる普天間基地ゲート前に東村高江の人々の姿がありました。
年間1200回もオスプレイがくる高江のヘリパッドから、わずか400Mの所に自宅がある安次嶺現達さん。反対運動をし、通行妨害だと裁判にもかけられました。今日は家族8人で駆けつけました。
安次嶺雪音さん「昨日の夜、もう子どもたちも、明日だけは学校休んでみんなで行こうって言って、朝早く出てきたんだけど」
息子「オスプレイ来たら大変だもん」
雪音さん「オスプレイ来たら、ほんとに、学校どころじゃないから、もう今日だけはちゃんと」
息子「学校、来たらもう、オスプレイの音でうるさくて授業できない、聞こえない」
息子「オスプレイ今日来ちゃうの?いやだなぁ、もう引っ越したい」
東村高江は、北部訓練場に囲まれた集落。これまでもアメリカ軍のヘリが、学校や住宅の上を飛び回って訓練をしてきました。そこに、新たに6つのヘリパッドの計画が進められていて、そこをオスプレイが使うことになっています。
必死に抵抗してきた安次嶺さん。オスプレイが来たことがまだ信じられないと、近くのビルの上に上がりました。
安次嶺現達さん「まあ、あんまり見たくなかったけど。この目で見るのも。見て明日からまた高江でがんばるしかないなーって気持ちにもね。なるかという思いで今日は見たんだけど・・・あっという間に簡単に来るんだねえ。悔しいけど。」
カフェ従業員・餅井理恵さん「飛ぶ前に、みんな壊れてしまえって思いますね」「高江での、普通に、みんな楽しく生活したいだけなのに。」
高江に住む伊佐育子さん「(Q.オスプレイ見えませんでしたね?)もう見えなくてよかった。もっと悔しかったはず。もっと怖かっただろうし。ずっと見ないで過ごせたらいいなと思います。なんか本当に、平和って言うのが崩れていくような思いがしました
安次嶺さんの長女・海月ちゃんは、7歳の時、両親と共に通行妨害の裁判の被告にされ、苦しい思いをしました。
海月ちゃん「本当なら今からでも帰って欲しい。できるだけ、私の子供はオスプレイを見ないで、オスプレイの怖さは、そのときまでにはもうオスプレイはなくなって欲しい。」
そして3日後、オスプレイは高江にやってきました。まだ新たなヘリパッドは完成していないにもかかわらず連日、高江で低空飛行や離着陸を繰り返しています。
伊佐さん「仕事場のすぐ裏にも飛んできたんですね」「ぼくが発見したときには提供区域外です、はっきり言って。うちの工場の裏ですから」
その一方、防衛局は早朝、座りこみを避けるように作業員を茂みから現場に入れて建設を進めています。毎日、抗議する住民の押し問答が続いています。
男性「米国本国では史跡とか動物の上は飛ばないって。沖縄の人間はそれ以下なのか?」
職員「砂川さんという女性と10人くらいに監禁されてるんですけどね・・・場所は北部訓練場の前なんですけどね」
ゆきねさんと子供達の車が来る「オスプレイきちゃった?」
雪音さん「飛んだぞ飛んだぞオスプレイ。ヤマガメの上。信じらンない」「ヘリパッド作られたら本当に住めないよ。ホント思った!低空飛行するんでしょ?」
雪音さん「どんどんどんどん音が近くなって。暫くするともうオスプレイが自宅のすぐ上を、もう低空飛行で飛んでいったんだけど。それを一目見た瞬間、恐怖心というか。ショックとしか言いようがなくて。震えも止まらなくて」
そしてこの日もまた、オスプレイは高江にやってきました。
宮城さん「150メートル以下では飛ばないということを言っていたんですが、あれは目測でも100M以下、もっとじゃないかなという感じですね」「40分程度、上空を旋回してますからね。ヘリパッドができたらぼんぼん訓練に来ると思います」
オスプレイが通過する地域は、県下たくさんありますが、頭上で1時間とか2時間、訓練をする場所は主にこの北部訓練場のほか、ブルービーチ・シュワブ・伊江島等限られてきます。しかし住宅が近い、真上を飛ぶといえば、高江は最も厳しい状況。
だからこそ、5年間も座り込んで反対してきたわけですが、これでヘリパッドが完成したらさらに過酷な訓練地になることは確実で、人道上許される話ではありません。