ANN系列の九州山口沖縄各局がお伝えする秋のシリーズ企画「人気です!!」きょうは沖縄から。秋から冬にかけ、沖縄にはビッグな人気者が毎年帰ってきます。さて、帰ってくる人気者とは?
那覇市から西へ40km、慶良間諸島、座間味島。世界屈指の透明度を誇るサンゴ礁の海には色鮮やかな熱帯魚が群れをなします。夏はダイビングなどのマリンレジャーが大人気。そして冬は・・・この島には大変な人気者がやってくるのです。
あちらにいるのは村長さん。ちょっと聞いてみましょう。
座間味村長「たくさん人気者いっぱいいますけど、この島で観光客の方も含めて大人気と言えばザトウクジラだと思います」
そう、それは慶良間諸島の冬の巨大な使者ザトウクジラ。ザトウクジラは冬から春にかけ、穏やかな座間味の海に交尾、出産、子育てのためやってくるのです。
宮城清さん「はいさーい!もうすぐけーちちょーんどー(こんにちわー!もうすぐ帰ってくるよー)」
ホエールウォッチング協会の宮城清さんです。クジラガイド歴25年。これまで撮ったクジラの写真は3万枚を超えます。
宮城清さん「ダイビングの移動中にクジラを確認して、そのクジラがボートに寄って来て、ボートの周りをぐるぐる回ったり顔を出したりおなかを出したりというパフォーマンスをしていて興奮して、ぱっと水中の中でマスクつけて入ってみたらこうクジラと目があって、それからずっととりこになって追いかけています」
捕鯨により、一時は絶滅したと思われていたザトウクジラが座間味に帰ってきたのが25年ほど前。以来、もう一度クジラたちにとって過ごしやすい海を取り戻そうと、島の有志たちが1991年に座間味村ホエールウォッチング協会を設立しました。
(Q.期間中クジラを見られる確率は?)宮城清さん「確率はほぼ100%に近いですね。」
100%と言い切ってしまう、その理由がこちら。
無線交信のやりとり「協会よりポイント2どうぞ。」「はいこちらポイント2」
基地と無線交信をしているのはこちらの展望台。
無線交信のやりとり「クジラ出てますか。」「11番に1頭。」
100%の理由がこの無線連絡の連係プレー。期間中は大海原を見渡すことのできる展望台にスタッフが常駐しクジラを確認後無線で船長に連絡。門外不出、独自のチャートを使って誘導します。
宮城清さん「うれしかったことはね、ちょうど25年前にあった水中で目があったメスクジラですけど、それが10年後にですね、赤ちゃんクジラ連れてやってきたんですよ。それがもう一番うれしかったですね」
協会ではクジラを守るためのルールを作りや写真を収集し、個体識別調査を行うなど保全活動に取り組んでいます。
ことし3月、宮城さんのガイドで、へリコプターによる撮影を試みました。
宮城清さん「座間味島の北の海域に渡名喜ゾネという水深50mのところに海の中に山があるんですよ。そこには、ザトウクジラが集まる場所と言われているんですよ。」
宮城清さん「一列に並んでますよ。おお、良いねぇ。これはですね、メイティングポッドと言って、交尾集団と呼ばれてますね。多い時には12頭とか見られる場合があります。」
宮城清さん「先頭のオスが最初のペアだったと思います。また出てきますよ。ああ、手を広げてますね。良いですね!ああ、上がってきた。これはオスですね。先ほどから息が荒いんですよ。また上がってきましたよ。」
海をゆく鯨の姿。透明度が高い座間味の海だからこそ見える映像です
宮城清さん「親子クジラとオスクジラの三頭のクジラが潜ってて正面からやってくる夢を見たんですよ。それが3日連続で見たもんですから、もうあとは秒読みですね!」
冬の島の人気物ザトウクジラ。季節到来はまもなくです。