青山志穂の「塩のこと教えマース!!」ソルトコーディネーターの青山さんと県内各地の製塩所を巡り、塩の魅力について伝えていく企画第二弾です。
県内にはこの様に南は与那国島まで約30の製塩所そして150種類以上の塩が作られているのですが、きょうはこちらの屋我地マース、唯一塩田から作られている塩なんです。オンリーワンだけではなくこの塩には男たちの夢も詰まったお塩です。
株式会社塩田・金城薫さん「これが塩の花。噴火口のように。塩ができる瞬間、我々が1番感動するときがこの時です。今までの苦労が全て報われる瞬間ですね。この塩の花が咲くころ収穫です」
出来上がった塩を花にたとえ、優しく語る塩職人・金城さん。一度は途絶えた屋我地島の塩田を復活させた1人です。
美しい羽地内海に浮かぶ屋我地島。かつては県内有数の塩の産地として知られ、今でも海岸沿いには塩田の跡がいくつもあり、その面影を残しています。
金城さん「昭和35年頃まで作られていて、それ以降途絶えていった。一気に途絶えていった状況だと思う。ただだ誰かがやらないといけないだろうと」
全盛期には多くの島の人が携わり、島の誇りにもなっていた塩作り。金城さんら同級生5人は古くからの製塩法を受け継ぎ、半世紀ぶりに屋我地マースを復活させたのです。
金城さん「何回か使っているうちに塩田が復活してくる。生き物と一緒ですよ。復活していって、だんだんと自分たちの求めている塩が作れるようになってきた。日々勉強です」
塩田の復活、塩の復活。そして、この伝統を残していこうと体験学習にも取り組み始めています。
金城さん「我部という地域の塩作りはみんな誇りに思っているそ。れを我々は繋げていければ」
入浜式塩田は潮の干満を利用した塩作り。塩田に撒かれた砂の水分が、太陽熱と風力によって蒸発すると、毛細管現象が起こり海水が吸い上げられていきます。
青山さん「この砂が屋我地塩田の特徴の1つです。この辺りで採れる粘り気のある砂を使うと、より多くの塩が付着するのです」
太陽を浴び水分が蒸発すると、砂には塩だけが付着します。その塩の付いた砂をかき集め、さらにその上から海水をかけると、かんすいと呼ばれる塩分濃度が高い塩水ができます。それを釜で炊き潮を取りだすのです。
男の子「昔の人はこんな苦労して塩を作っていたんだと思った」女の子イ「海水から作るのは知っていたけど、砂から作っていたのは意外でした」
さて!そろそろ塩の収穫です。3カ月ゆっくり熟成させたまろやかな塩、海のうま味を含んだ味ここでしか取れない塩です。
金城さん「塩の美味しさもそうなんですが、この技術を残すとともに、彼らに地域の財産として残せるような塩田をずっと残しておきたい」
かつてたくさん有った塩田もより効率のよい製法にとって代わられ、残っているのはここだけ。しかし海と太陽、そして人、ここには夢の詰まった塩の姿があります。
そんな屋我地マースにあった塩レシピは…。魚介のうま味が含まれている屋我地マースは魚との相性もバッチリ!うま味も倍増する「白身魚のマース煮」です。
素敵な自然があるからあの塩の花が咲く姿が見られる。これからも歴史を刻んでいってほしいです。