オスプレイの配備の実態がはじめて具体的にされたアメリカ軍の「環境レビューを読む」シリーズ。4回目は反対運動が続く東村高江のヘリパッドについて。
新たなヘリパッドではどんな訓練が行われるのかという、高江住民の疑問に答えないまま、国が工事を進めようとしたことが混乱を招いていました。明らかになった訓練内容とは
伊佐「防衛局がここに来たときも「オスプレイがここに来るじゃないですか」っていったら「あれは普天間だけです」って言った。いい切った職員もいたんだよ」
国に訴えられ「通行妨害禁止命令」を出された伊佐真次さん。今頃アメリカ軍の資料で内容が明らかになるとは人をバカにした話だと、憤ります。
5年前、集落の近くにオスプレイのヘリパッドができると聞き反対運動をせざるを得なくなった高江の住民たち。国にきちんとした説明を求めても回答がないため座り込んだところ、通行妨害で裁判にかけられました。その、住民が聞きたかった内容は環境レビューに書かれていました
まず「建設予定の着陸帯」=北部訓練場の6つのヘリパッドは、オスプレイが使う想定であり、使用は年間平均420回とあります。
さらに、最低高度15メートルの地形飛行訓練が年間25回と見積もられ移動中に低高度飛行訓練を実施するとも書かれています。オスプレイの排気は高温になりアメリカでは山火事も起こしています。
宮城「あれが15メートルの高さで飛んだ場合排気が200度以上ということになればもうこういう木の枝なんかは全部枯れてしまって。木には野鳥がいつもいっぱい居ますし」
また、北部訓練場の中でも、オスプレイの使用頻度が1260回と格段に高いのが、LZ17というヘリパッド。それこそが、集落に最も近く、今工事が強行されている場所なのです。
ここでは頻繁に希少種のノグチゲラが目撃されていますが、環境調査の対象から外れている上に「ノグチゲラは木のうろに住んでいるのでローターの影響を受けない」などと書かれています。
LZ17については、集落に近すぎると村長や知事も移動を要請していましたが、アメリカ軍にとっても飛行コースの出発点と到達点にあたる譲れない場所であることも伺えます。
結局はオスプレイのヘリパッドだった。しかし、防衛局は住民に対し「配備は聞いていない」とはぐらかしてきた経緯があります。
伊佐「どうせあっちからここに飛んでくるんだろ?と聞いても、いや、聞いていません。本当にひた隠しで配備しよう、騙してまでやろうって言う国のやり方」さらに県内にすでにある50の着陸帯を使うことも判明しました。となると、なぜ6つも新たに作る必要があるのでしょうか?
安次嶺「ベトナム村と一緒ですよ、だから。ベトナムと想定をされていたわけでしょ、あの訓練と同じですよ。」
今から50年前の北部訓練場。そこには ジャングルの中にあるベトナムの集落を想定した「ベトナム村」が作られていて明日にも沖縄からベトナムに入る兵士がゲリラ訓練をしていました。そして本番さながらに訓練するために、ベトナム人役として高江区民が駆り出されていたという歴史がありました。
建設される6つのヘリパッドは高江を囲む配置になっていることから、集落が模擬訓練の対象にされるのではという不安も拭えません。
安次嶺「自分たちが住んでるところを敵国の住宅に見立てて訓練をやるっていうことですよ。17わざわざ住宅に住んでいる人々の近くにつくるわけだから。だって昔は実際にやってたわけだから。やる可能性は十分にある。」
今も頻繁に低空飛行するヘリに恐怖を感じている高江区はヘリパッドの増設にオスプレイの飛来と、抱えきれない不安の中にあります。
高江の人口は160人小さな集落ですけど、だったら何をやってもいいのかというくらい、理不尽なこと。でも高江は沖縄の縮図なのかもしれません。
直径75メートルのヘリパッド6つですから、抵抗がなければとっくに作られているわけで、小さな集落が今まで止めてきたこと自体どれだけ大変だったか。高江で何が起きているのか県民全体で共有すべき問題です。