今月5日に開かれる「オスプレイ配備反対の県民大会」を前に、ステーションQでは配備計画をまとめた環境レビューを検証しています。3回目のきょうは「嘉手納基地」です。
アメリカ軍がオスプレイの運用に関して記した環境レビュー。この中に衝撃的な事実が書かれていました。
『弾薬搭載のために、嘉手納飛行場にて年間約1200回(着陸及び離陸)を実施する』
轟音と共に戦闘機が飛び交う嘉手納基地。アメリカ軍はこの基地でオスプレイに弾薬を積み込み、月に3回、県内の訓練場で射撃訓練を実施するというのです。
仲本兼作さん「この39年、こういう中で生まれ育った。耳は悪くなっている。声は大きな声でしゃべらないといけない。ただどんな時も、私は爆音には慣れない」
基地のフェンスからわずか40メートルの所に住む仲本兼作さんは、戦闘機だけでなくヘリコプターの危険性も感じています。
こちらは仲本さんが自宅の屋上で撮影した映像。嘉手納基地所属の救難ヘリHH60が住宅地のすぐ近くを低空でホバリングしています。
仲本さん「頻繁に見ます。私の家の上空は空路になっていて、頻繁に飛んでいく。二階建ての20メートル以内を飛び交ったり、フェンス沿いを飛んだり、兵隊さんが足を出して下を見ている姿も見える距離」
沖縄防衛局が行った調査でも、普天間基地所属のCH46輸送ヘリなどが嘉手納基地を利用していることが確認されているほか、その姿は何度も目撃されています。
嘉手納基地のそばにある広大な嘉手納弾薬庫地区。そこからやって来たトラックが、ヘリコプターに何かを積み込む不審な様子を目撃した人は、何人もいます。
仲本さん「トラックが脇の道から入って来て、それを見ていたときに、何をやるんだろうと眺めていたら、何か物を載せるような形での作業はしていた。爆弾、証拠はないけれど、わからないですけど、そういうのもあり得るのではと思いました」
沖縄県平和委員会・大久保康裕事務局長「オスプレイの場合は基本的に輸送機ですが、戦場を想定した場合の実弾を使うことも必要になってきます。海の方の訓練海域の射爆訓練場を使ってやるということですので、オスプレイにとって嘉手納基地は弾薬の装填の場に重要な一つの拠点であると思います」
事故が多発しているオスプレイが弾薬を積んで自分たちの頭上を飛ぶのでは、住民たちの不安は膨らんでいます。
仲本さん「怖いを通り越して、人間的に言うといけないだろうと。墜落する欠陥機に弾薬を積んで飛ばすということは馬鹿じゃないかと。今までの経緯で、何やかんや言って引き受けてきたと、だからまた被害を引き受けさせるという甘い考えはやめてほしい」
弾薬を載せたヘリコプターが住宅地の近くを飛び回るということは本当に恐ろしいことです。しかもオスプレイはこれまで何度も事故を起こしているわけで、弾薬を積んだオスプレイが住宅地に墜落したらと思うと、住民たちの不安は計りしれません。
日米両政府はオスプレイの機体の安全性を強調し、配備を強行しようとしていますが、いったん配備されてしまえば弾薬を積んだ機体が県内全域を縦横無尽に飛び回ったり、訓練をしたりと運用面でも危険な状況が生じます。
あすは6つの着陸帯が新設される東村高江区についてお伝えします。