先週木曜日、久米島空港に大きな荷物を抱えた福島からの小中学生48人が降り立ちました。その表情は夏休みの子どもそのもの。わくわくとドキドキでいっぱいでした。
東日本大震災から1年4ヵ月経った今、福島の子ども達は当たり前のように学校に通い、友達と遊ぶ生活をしています。しかし、福島第一原発事故の影響は、子ども達にも大きな影を落としています。
美優ちゃん「(夏休みは)海に行ったり、お父さんと市民プールに毎日行ったりしていたんですけど、震災で放射能とか出てるから、あんまり市民プールにも行けなくなっちゃって。海は絶対に行かない」
亜優夢ちゃん「放射能があるから、学校はプール開いているけど入っちゃダメって。外で体育はあります。でもマスクしないとダメ」
今年3月。DAYSジャパンの広河隆一代表と歌手の石井竜也さんがあるプロジェクトを発表しました。ここ久米島に、福島原発による被災児童の保養を目的とした施設を作る。全国でも初めての試みです。
これは、文部科学省がリアルタイムで発表している放射線モニタリング情報、いわゆる空間線量です。那覇市は毎時およそ0.04マイクロシーベルトなのに対し、福島市は毎時およそ0.2マイクロシーベルト。これだけを見ても福島市の空間線量がいかに高いかがわかります。
球美の里・松本事務局長「保養することによって健康被害を防ぐことができると信じていますので、この子たちが元気に強く生きていく力をつけてくれればいいなと。それだけを考えています」
初めての土地に初めての仲間。緊張しているのか、朝食は静かです。
球美の里では、一日3食、なるべく沖縄県産の野菜中心の料理を出しています。これには地元の女性たちや農家さんたちの協力なくしてはできないといいます。
保養所とはいえ共同生活。食事以外の掃除や洗濯はすべて分担し、自分たちでするのが「球美の里」のルールです。頑張った後は、子どもたちが待ちに待った時間がやってきます。
大生くん「わくわくしています」
喜信くん「海で遊ぶ。生き物を探す」
美優「海でいっぱい泳ぎたいです」
球美の里・宇江城久米島代表「外で遊ぶにも制限されている。目に見えない放射能におびえてる。ここにきたらそういうのを心配する必要はないし、思いっきり遊んでもらって」
思いっきり遊んでほしい。それがスタッフ、送り出してくれた両親の一番の願いです。最高の笑顔が子どもたちからあふれます。
喜信くん「魚とヤドカリがいた!あとなまこも」
美優ちゃん「(Q:どう沖縄の海は?)きれいで楽しい。海入ったよー!!(ってお母さんに報告する)」
大成くん「自慢します。俺、海は入ったーって」
海で思いっきり泳ぐ、一生懸命虫を捕まえる、外で無邪気に走り回る。夏休みのあるべき姿が球美の里にありました。