アメリカ軍が公表したオスプレイの日本での運用に関する「環境レビュー」。この中にはオスプレイが利用する着陸帯が列挙されています。「ダック」や「フラミンゴ」と名付けられたこれらの着陸隊は69。CH46と比較すると中部訓練場では7つの着陸帯で訓練が増えることが明記されています。
「この道路が着陸帯に通じる連絡道です。オスプレイの配備で使用回数が増えたり、あるいは異常に使用頻度が高い着陸帯の表示。ファルコン、クート。」
こう話すのは沖縄県平和委員会の事務局長を務める大久保康裕さん。大久保さんは環境レビューを見てあることに気がつきました。利用頻度が増える7つの着陸帯のうち、6つがキャンプハンセンの中のある施設周辺に集中しているのです。
「米軍がコンバットタウンと呼んでいます。いわゆる都市型訓練施設で、1990年の初め頃に造られた戦闘訓練施設です。」
山あいに見える教会のような建物。これはアメリカ軍の都市型訓練施設です。大久保さんたちが調査したところ、左側にはイスラム様式の町並みが造られ、兵士たちが訓練をしていると言います。
「十数メートルの低空でロープを機体から垂らして、ロープから兵士がつたって屋上に降り立って、建物を占拠する訓練が行われています。」
「ロープで降り立つ場合にはどうしても、その高度から十数メートル低空ホバリングを余儀なくされる非常に危険だと思う。」
大久保さんはオスプレイの配備で、従来のCH46ではできなかった危険な訓練が日常化するのではと警戒しています。
こちらは2001年にキャンプハンセンで撮影された写真。輸送ヘリが大砲を吊り下げ、戦場を移動する訓練をしています。CH46ではこのような重い物は運べませんでしたが、その3倍近い積載量を持つオスプレイならばこのような訓練は可能になるというのです。
「質、量共に激しい、今まで行われなかったものが、行われてくるんじゃないかと思います。」
環境レビューではこんな事実も明らかになっています。2010年、オスプレイの製造元であるボーイング社が県内89カ所の着陸帯で地形や障害物、植生などを調査しオスプレイの利用に適当かどうか、評価していたというのです。
そしてこの中では、調査の結果、32の着陸帯が低水準としていました。大久保さんは県内全域が危険に晒されると危惧しています。
「全県的増えることはレビューを見れば明記されていますので、負担が増えることは間違いないですね。」