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平和教育を担う若い教師に沖縄戦を正しく理解してもらおうとこの春採用された小中学校の教師を対象に学習会が開かれました。

山里和枝さんは「大変悔しい、悲しい、67年前のことを思い出しますと、大変、いつも悲しさ、悔しさ、辛さは募るばかりでございます」と話します。

糸満市の轟の壕で行われた学習会にはこの春、沖縄市内の小中学校に採用された教職員およそ30人が参加しました。

講師を務めたのは、山里和枝さん。当時県職員と行動をともにしこの壕に避難していました。山里さんは日本兵が黒砂糖を手に入れるため、子どもを撃ち殺したことなどを証言し軍隊の残虐性を強調しました。

山里さんは「結局戦争では、人間が人間でなくなりますので、赤子が泣くと、「自分の子は自分で始末せい。殺せ」と言うんですね、周囲の人が。それで親は周囲から責められて、おむつを口に押し込んで、赤ちゃんを殺してしまって」と話します。

また山里さんはある人物の最期の姿を目撃していました。その人物とは島田叡知事。敗戦色が強まり死を覚悟して壕を出ようとしていた島田知事と偶然会い、そこでかけられた一言で自身が命拾いしたと明かしました。

山里さんは「絶対友軍(日本軍)と行動を共にするなよと。手をあげて(壕を)出るんだよと。敵は女子、子どもに何もしないから、手をあげて出るんだよと仰って、私の肩を軽く叩いて、出ていらしたんです、これが最後です」と話しました。

参加した教師は「二度と絶対に戦争はいけないということが凄く伝わって来て」「自分がまずは勉強して、子どもたちにしっかり伝えられるように、27日聞いたお話を持ち帰って学んでいきたいと思いました」また別の教師は「絶対に伝えないといけないと感じて、感じたことを伝えないといけないと深く感じました」と話しました。

主催者は「戦争そのものを空想とかじゃなくて、現地に来て、あなたなりに感じる。これが一番大事だと思います。それを無くして、本で学ぶとか、メディアで見るとか、そうした場合にはとんでもない、失敗すると思います」と話します。

山里さんは二度と悲劇を繰り返さないよう若い教師たちに次のことを強く訴えました。山里さんは「もし日本が戦をしかけて戦争になった場合は、みなさんは絶対、軍に協力しないで下さい。協力して人を殺すよりも逃げた方が良いです。

絶対軍に協力しないで下さいと言いたいですね」と話します。