いよいよあさって開幕する夏の高校野球沖縄大会。めざせ甲子園14校目のきょうは美里高校です。投打の2本柱で安定した実力を誇る美里高校ですが、今チームはピンチに立っています。
秋・春の大会とベスト8、毎回堅実な実力を見せる沖縄県立美里高校この夏はさらなる飛躍が期待されています。
それを支えるのは、「投」と「打」の2人の大黒柱。戦力分析でこの2本柱をチェックします。
1本目の「投」の柱は元将太郎。身長184センチと恵まれた体格から繰り出す速球はMAX143キロ。公式戦や練習試合などで県内強豪校を完封に近いピッチングでおさえるなど、その将来性はプロからも注目されています。
元将太郎投手「しっかり自分は0でおさえて。ピンチでも強気で攻めていく攻めのピッチングを意識して投げています」
投手陣は他にも、アンダースローの大城や左の伊波もいて、総合14.5点の辛めの評価の中、投手力は最も高い4点です。そして同じ4点の打撃力の柱は…。
池宮城監督「ただのデブじゃないですよ」
体重100キロの巨漢スラッガー・仲宗根康二。ホームランは高校通算25本。器用さとパワーを兼ね備えた彼の能力を池宮城監督はこう語ります。
池宮城監督「調子がいいときは135mとか140m行くときもありますし、打ち始めたらピンポン玉みたいに飛んで行きます」
主砲の打順はもちろん4番。そして1番・我如古や2番・池宮城がチャンスを作る打線は高い得点力が期待されてます。
ちなみに、この我如古くん、名前は「剛瑠(ごうる)」君といいます。もちろん名前の由来は…。
我如古剛瑠内野手「(父親は)もともとサッカーが好きだったんですけど、(父親は)甲子園いったら逆に剛瑠っていう名前を広めたいって言ってます」
そして池宮城くんの方も、父への思いを秘めています。実は池宮城くん、池宮城監督の息子なんです。
池宮城慶内野手「(美里に進学したのは)父と一緒に高校野球をやりたいと思ったのが一番の理由です。最後は父と一緒に甲子園行きたいです」
しかし、美里は今、大黒柱の1本に大きなピンチが訪れています。
仲宗根内野手「監督も期待してくれているんで、自分が夏、活躍して監督を甲子園につれていきたいっていうのがあったので、ケガして辛い思いがいっぱいでした」
夏直前5月下旬の練習試合で左手首を負傷した仲宗根くん。今でも痛み止めの処置を行い、練習をおさえながら調整を続けています。本番は期待される飛距離は望めないかもしれません。それでも4番に対するこだわりがあります。
仲宗根内野手「4番って言うのはチームで一番期待されている人だと思うので、自分が役割を果たしてチームに貢献できればそれでいいと思っているので」
そしてチームも、彼以外に4番を任せる気はありませんでした。
高江洲健人主将「4番は仲宗根康二に任せるってチームで話し合って全部決めた。康二しか4番はいないので」
元投手「彼がいなかったら美里って感じしないです」
夏直前にチームを襲った暗雲、それを振り払おうとマネージャーは千羽鶴を折り、ベンチ入りできなかった3年生は応援で後押しします。
伊礼嘉孝くん「少しでも応援が力になるように、一生懸命応援もがんばって、メンバーもがんばって甲子園行きたいです」
仲宗根内野手「この応援があるだけでみんなテンションが上がったり、盛り上がっていけるの。ここまできたら全力で狙っていきたいと思います」
沈みそうになった心をチーム一丸再び奮い立たせた美里。目指すは1つです。
元投手「いつも康二に助けられているので、夏は自分で完封して」
我如古内野手「康二が苦しい分、自分がしっかりリードオフマンとしてやって」
仲宗根内野手「最後なので、甲子園はずっと憧れにしていたんで全力で戦っていきたいと思います」
『最後の夏、全員野球で行くぞ!甲子園!やー!!』