県議選2012、今週は注目の選挙区をお伝えしています。きょうは、定数4の議席に対し6人が立候補する少数激戦区、浦添市区です。
市民女性「待機児童がだいぶ多いので、もうちょっとすぐ入れるような体制は取っていただけたら、うれしいところはありますね」
市民男性「とにかく仕事を与えるようにやったほうがいいと思いますよ。若い人たちのことを考えてね」
-市の雑感・保育所イメージ(要ぼかし)-人口およそ11万人の浦添市。出生率1.97は県内有数。平均年齢38.4歳と、子育て世代が多く、630人あまりの待機児童が市の大きな課題です。
浦添市区では、定数4の議席に対して、現職4人と新人2人が立候補。待機児童の解消を掲げる点では、6人全員が一致。子育て世代を中心に、暮らしや福祉を重視した政策でアピールします。
又吉健太郎候補「私たち若い世代が、5年後には私たち世代がこうなっているんだ。10年後にはこういう風になっているんだというような夢や希望を描けるような社会を私たち政治家が作っていかなくてはなりません」
民主党公認の新人、浦添市議を務めてきた又吉健太郎さん。県の要綱に縛られ使い勝手が悪いという市の乳幼児医療費無料化制度など、県政でしか解決できない課題があると訴えます。
池間淳候補「この選挙において、多数与党を取らせていただければ」「この一括交付金でもって、沖縄のために10年間」「予算投入できるものだと信じております」
自民党県連幹事長で5期目に挑む池間さんは、仲井真県政との連携を強調。一括交付金を活用し、中学卒業までの通院費や給食費、教材費の無償化を訴えます。
前島明男候補「小さいお子さんからお年寄りまで、障害をもつ方々に光をあてて」「沖縄に生まれて住んでよかった。そういえるような環境をつくってまいりたい」
公明党推薦で無所属の前島さんは、社会的弱者への福祉政策を掲げるほか、大地震や津波から県民の命を守るための防災計画を早急に策定するべきだと主張します。
西銘純恵候補「米軍への思いやり予算をやめる。そうすれば、20兆円社会保障の財源、消費税増税をしないでも作れます」
2期目を目指す共産党公認の西銘さんは、アメリカ軍への思いやり予算などを削り、中学生までの給食費や通院費の無料化、国保税の引き下げなどに充てるべきだと話します。
前回のトップ当選、無所属で3期目を狙う赤嶺さんは、県民のための「県民党」を標榜。人「財」の育成が将来の沖縄の資源になると呼びかけます。
赤嶺昇候補「所得が全国で一番低いといわれている我が沖縄県において」「私は、この沖縄の子どもたちには、大学まで学費を無償にしたいと思っています」
儀間さんは無所属の新人ながら、浦添市の儀間市長の長男ということで注目を集めています。子育て支援や高齢者が過ごしやすい街づくりを目指します。
儀間光秀候補「これから先の沖縄を作っていく。未来の子供たちへ。住んでよかったふるさと作りに身を投じて、使命感での決意でございます」
-2009市長選-これまで、自民党県連幹事長などを歴任してきた儀間市長。3年前の市長選では、池間さんや前島さん、赤嶺さんの応援がありました。市長の身内が出馬することで今回、保守系の支持層や地盤などが競合することになったのです。
儀間市長「他の候補者に対する配慮もしなければなりませんしね」「靴の上から足を掻くような思いでしております」
混戦模様の中、各陣営は、地元郷友会や企業など、組織票固めに力を入れています。
市民男性「知ってる人はたくさんおるけどね僕らも。もう歳が歳だからね」「(投票は)頼まれてる。頼まれてるけどね」
市民男性「しがらみはあるかもしれないですけど。結局票を入れるのは自分だから」「最終的には自分で決めますので。はい」
来年2月には市長選を控え、その前哨戦ともなる今回の県議選。有権者8万4000人あまりの票の行方が注目されます。
伊是名村出身の儀間市長が大きな票田としてきたのは、市内で2万票ともいわれている宮古出身者の票で、その行方に関心が寄せられています。また、今回立候補のない社大・社民系の票の流れも気になるところです。
一方、今回大きな争点とはなっていないものの、浦添市の長年の懸案にもなっている西海岸開発問題についても、キャンプ・キンザーの返還が取りざたされる今、跡地利用に関する各候補の政策にも注目です。