佐喜真淳さん「もやもや感というのが市民の中にあって、やはりここは普天間飛行場だけが問題ではなくて、やっぱり暮らし、生活重視で、言い換えれば経済なんですね。経済対応というのが私が言っていることが、澄み切って理解できたと思います」
今年2月の宜野湾市長選挙。伊波洋一さんと自民党県議の佐喜真淳さんの一騎打ちとなり、佐喜真さんが当選しました。佐喜真さんの選挙運動は、基地問題に触れず、経済を主張するというものでした。
県議会が全会一致で普天間基地の県外移設を決議。仲井真知事も県外へと舵を切る中、経済に絞った運動を繰り広げた佐喜真さんが当選しました。対立軸がぼやけた感のある基地問題は、今回の県議選でも争点とはならず、経済や暮らしが争点となるのでしょうか。
宜野湾市区に立候補しているのは渡嘉敷喜代子さん、呉屋宏さん、新垣清涼さん、又吉清義さんの4人です。候補者は、2月の宜野湾市長選の結果をどう見ているのでしょうか。
新垣清涼候補「やはり私たちの訴えが届いていない。届いていないというよりも、それを上回る何かがあったのかなと」
渡嘉敷喜代子候補「市長選の結果と言うより、市政が変わったと言うことは私たちにとってはとても厳しい状況かなと」
呉屋さんと又吉さんは、有権者は基地問題より経済を有権者が選択したといいます。
呉屋宏候補「宜野湾市では基地問題は争点じゃないんです」「つまりもう経済をどうするかということが宜野湾市長選の中身だと思いますよ」
又吉清義候補「経済の活力の宜野湾市を変えたいと。こういう市民の大きな声が今回出てきたと」
第5次の沖縄振興法がスタートし、一括交付金制度が創設され、今回の県議選でも、「経済発展」を争点に挙げる候補者が見られます。
又吉清義候補「基地問題は当たり前のこと。その中で経済問題、雇用の問題があまりにもないがしろにしていますので、これをやらないと人間のバランスが取れない」
そして自衛隊配備問題については。
又吉清義候補「自分の国は自分で守るぐらい力つけないと、本当に弱腰で自分の国が守れるかということですよ」
呉屋宏候補「今の段階では日米安全保障条約をベースにして、この国を守ると言っているわけですから」「PAC2なんかが必要ということであれば、それはちゃんと国が答えを出すべきだ」
一方、新垣さんは基地問題が県議選の争点だといいます。
新垣清涼候補「普天間基地の即時閉鎖、返還、そしてオスプレイ配備断固反対ということを、しっかり打ち出すべきだと」
そして渡嘉敷さんは、PAC3配備展開など、自衛隊の南西諸島への増強配備も基地問題と一緒の争点だとしています。
渡嘉敷喜代子候補「これほどまでに辺野古に固執しているということというのは、将来、自衛隊を配備していく、切り替えていくという思いもあると思うんです。ですから自衛隊イコール米軍基地も反対だと」
またこのほか、東北の震災がれきの処理問題についても、4人とも、放射能汚染がれきの受け入れについては、反対で一致しています。しかし渡嘉敷さんは、国が決めた放射能基準が本当に安全なのかか問題だとして反対。
新垣さんも、地元が取り組み始め、地元でがれき処理の関連産業や雇用が生まれるとして反対の立場です。呉屋さんは、放射能に汚染されていないがれきを受け入れる手助けはすべきだといいます。又吉さんも、汚染されていないがれきに限って受け入れることが、早期復興につながるとしています。
普天間基地を抱える宜野湾市区。今回の選挙で有権者は基地問題を争点とするのか、経済を争点とするのかが注目されます。