夏の甲子園をめざし、来月16日に開幕する高校野球沖縄大会を前に、今年の強豪校・話題校を紹介するめざせ甲子園です。きょうは、高い身体能力と層の厚い投手陣で挑む前原高校です。チームには、影でナインを支える心強い仲間がいました。
夏の暑さに負けない体を作るため、足を使い走り込みの練習に重点を置くのは前原高校。
今年の競技力大会では、去年の9位から躍進!沖縄尚学・興南に次いで総合3位につける高い身体能力が、今年、どのチームも認める前原の底力を物語っている。
しかし、チームのここまでの道程は決して平坦ではない。去年の秋は、部内の不祥事で大会出場を辞退。さらに、雪辱を誓った春の大会では、優勝した沖縄尚学に破れ、ベスト8に終わっているのだ。
平敷祐人主将「一人ひとりの心の中にあるんですよ。悔しい思いが」
屋宜駿杜投手「悔しい思いで終わったんですけど、しっかり夏は一戦一戦大事に、まずは一勝をめざしていきたいです」
挫折を乗り越えて、チームは今一つに。その大きな支えになった選手がいた。
栄門大成くん「オイ、声つなげ、声~、ハンパだぞ、みんな声~」「取るまでOK、今はホームじゃなくて三つだな!ハイ!」「考えてやれ~」
高校3年生とは思えない風格で仲間に喝を入れるのは栄門大成くん。
安里大作監督「監督、コーチの次に偉い立場にいるんじゃんないかなと思います」
屋宜駿杜投手「(栄門は)練習の時から厳しいことを言うし、とても支えられています」
みんなが一目置く栄門くん。そんな栄門くんも、もともとは他のナインと同じプレーヤーだった。
栄門くん「やっぱり最初は皆と一緒に野球して、甲子園めざしてグラウンドにたってプレーするのが一番の夢だったんですけど」
1年生の秋、肩にケガをして選手としての道を断念。しかし…。
安里監督「ケガして崩れていく子じゃない」
突然のアクシデントも甲子園への夢を阻むものではなかった。
栄門くん「負傷して、そこからチームのために何をやれば貢献できるか、そして甲子園という目標にどれだけ近づけるかと考えた」
自分にできることは何か。仲間と一緒に夢を追うためには何ができるのか。その答えが、学生コーチだった。時に、厳しい言葉をぶつけることもある栄門くんだが、その思いは仲間もよくわかっている。
野球部の3年生は27人。全員が夏の登録メンバーには入れない。栄門君のように、チームのために何ができるのか考える選手は他にもいる。
新垣渉選手「応援の形で(チームを)リードしていきたいと思って(応援)団長を希望しました」
新垣渉くんは春の大会、レギュラーメンバーから外れたが、応援団長としてベスト8進出の大きな力となった。最後の夏、レギュラーを入りをめざし、汗を流す新垣くんにはこの夏、夢があった。
新垣選手「自分と一緒にお母さんも皆勤賞しているので、夏は背番号20番をお母さんに縫わせてあげたいです」
読谷から毎日、車で送り迎えをしてくれる母に応えたいというのだ。
頂点を目指す前原のこの夏充実の戦力を紹介!安里大作監督の戦力分析は守備力で満点。自慢の投手陣、機動力も4点と評価が高い。
エース屋宜駿杜はMAX140キロ。球速以上に球威を感じさせるプロ注目、今大会話題の投手で、打撃では5番を打つ投打の柱だ。春の大会の後フォームを修正。その仕上がりが注目される。
屋宜駿杜投手「(大会の今は)ワクワクしますね。早く投げたい」
屋宜の他にも、春の大会で完投した伊保孝哉、さらにこちらもプロ注目の平良裕馬など、投手層の厚さは県内でもトップクラス。
最も監督が低い評価をつけた打撃力だが、広角打法の技巧派、3番・山城則治。4番は、キャプテンで打の柱、平敷祐人などクリーンナップを中心とした攻撃力は高い。これに足を絡めた機動力野球が加われば鬼に金棒だ。
影で支える仲間達とチーム一丸!夢の舞台夏の甲子園へ!前原全員野球が勝利を呼ぶ!
屋宜投手「みんなと絶対に甲子園に行こうと、だから最後の夏は全員野球で常に全力を出して、甲子園の切符を取りたいです」
平敷主将「夏はみんなが(優勝を)取るつもりでいる。他のチームも必死になってくるので、自分達もがむしゃらに必死で優勝めざして頑張っていきたいです」
栄門くん「最後の夏に向けて集大成をぶつけていけるようにチーム一丸となって頑張っていきたいと思います」
『沖縄県民にエールを送ろう!行くぞ甲子園!オ~~』