アメリカ上院議員の抗議によって延期されていた、アメリカ軍再編の見直しに伴う日米共同文書。
27日午前に発表されましたが、注目された嘉手納基地より南の施設の返還について、県内他施設への機能移転など、条件付のものとなっています。
玄葉外務大臣は「土地返還も含めて前向きで具体的なものになったことについて、私は一定の成果が出たと考えています」と話します。
共同文書ではキャンプ瑞慶覧や那覇軍港など、嘉手納基地より南の5つの施設の返還を進めると記されています。そして、その区域を13に分割して「速やかに返還」「県内で代替施設が提供され次第返還」「海兵隊の国外移転後に返還」の3段階に分けて返還するということです。
同じ施設でも、異なるタイミングで部分的に返還されることになります。
また普天間基地について、辺野古移設が「“これまでに特定された”唯一の有効な手段」と辺野古以外の選択肢に含みを持たせる一方で、普天間基地の滑走路の補修事業を組み込むなど、固定化への懸念も滲ませる内容になっています。
仲井真知事は「特に外務大臣、防衛大臣はがんばっていただいて(パッケージから)はずしたんですけど、はずしただけではダメ。はずして、予定されている嘉手納より南の基地の返還を早めることが一緒についてこないと意味がない」と話します。
そして佐喜真宜野湾市長「普天間の補修というものが固定化につながるようであれば、先ほどから申しあげている通り、固定化は絶対あってはならない」と話し、稲嶺名護市長は「我々の側としてはちっとも前進した内容とは思えません」と話しました。
一方、返還施設のある市長らもその内容に不満を示しました。
翁長那覇市長は「那覇軍港の場合、浦添埠頭のほうに移設しなければできない。早くても20年25年かかる。それをスケジュールといってもちょっと私からするとなかなか理解しにくい」と話しました。同じく儀間浦添市長も「細切れ返還はあってはならない、都市計画ができない」と話しました。