※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

第32軍司令部壕の説明板の文案から、「慰安婦」と「住民虐殺」の文言が削除された問題で、検討委員会の委員が29日、文案の再検討を要請しましたが、議論は平行線に終わりました。

県庁を訪れた検討委員会の委員は、県に対し、「証言や資料の再検討をしないまま、設置作業を進めるのは拙速」だとして、このまま作業を進めることの危険性を指摘しました。

委員のひとりは「いくつかの不可欠な事項あると思うんですけど、沖縄戦を知る上でですね。これは欠かしてはならない事実だ。この2つをズバッと切るということは、やっぱり沖縄戦の全体像に対する理解を非常に弱めることになる」と述べました。

これに対し県環境生活部の下地部長は、「慰安婦」の存在や「住民虐殺」があったことを否定するものではないとしながらも、記述を削除する方針に変わりはないとしました。

また今後、再検討の場を設ける予定はないとの方針を合わせて示し、およそ30分に渡った議論は、平行線に終わりました。

要請後の会見で新城俊昭委員は「(検証が)足りなければさらに資料を持ってきたり研究者を加えたり、色んな工夫ができるわけですよ。そういったことを一切排除して、これで決定しましたということが納得いかないわけです。」と訴えました。