ハンドボールの日本リーグ、琉球コラソンです。今季ホーム最終戦はリーグ2位、日本代表5人を擁する強豪、大同特殊鋼との対戦となった琉球コラソン、試合を見守る子どもたちのために、あきらめない姿勢を見せました。
今季ホーム最終戦を迎えた琉球コラソン。先制したのは司令塔水野裕紀のナイスパスから、コラソン。
しかしリーグ屈指の強豪は切り替えしの速さを見せます。日本代表メンバー5人を擁し、リーグ最多優勝を誇る黄色のユニフォーム大同特殊鋼。
試合は圧倒的に大同有利かと思われましたが、今季のコラソンは違いました。得点ランキング5位につける村山が得点を決めると、ゴールキーパー石田の好セーブから速攻。
そしてリーグ3位の失点数を誇るディフェンスで大同に得点を許しません。
体格差をスピードでカバーしリードを奪うコラソン。ゲームメイクする身長173センチのキャプテン水野裕紀は、前の週に腰を痛めこの日もたびたびコートで倒れますが、それでもプレーをつづけます。
水野主将「体が1,2ヶ月動かなくてもいいと思っているので」
彼らの原動力は試合を見守る子どもたちの声援でした。
琉球コラソンJr山城輝大主将「強さは(大同が)上だけど、コラソンは地元で負けたくない気持ちがあるので、気持ちの強さを見たいと思います」
小学生の県選抜メンバーで構成する琉球コラソンのジュニアチーム「コラソンJr」
コラソンの選手たちも指導に参加し、ハンド王国沖縄の底上げに尽力しています。
小学6年生の山城くんも体格は決して恵まれているほうではありませんが、それをスピードでカバーしキャプテンとしてチームを引っ張っています。
山城主将「将来の夢はハンドボールの選手」「僕達のように小さなチームでも上のチームでやっていけることが証明できれば、子ども達の将来の目標になると思うのでがんばりたい」
声援を力に、後半も強豪大同を相手にリードを守るコラソン
相手の7Mスローを、7Mスロー阻止率リーグ2位の内田が好セーブ。試合は残り10分でコラソン5点リード。
しかしここで再び水野裕紀が倒れます。兄の裕矢もファールで2分退場。コートプレーヤーを1人欠き、司令塔をうしなったコラソンに対し、地力に勝る大同は6連続得点で逆転、コラソンここで力つきるか…。
水野選手「見ている人に勝つ気でやっているんだなって(伝わるように)1本1本力をこめて」
水野、最後の力を振り絞ります。残り1分40秒でコラソン同点に追いつくと、大同も意地を見せ、沖縄興南高校出身の棚原がシュート。コラソン残り30秒。
あと1歩で地元での大金星を逃したコラソンでしたが、彼らのあきらめない姿勢は子ども達にしっかり届きました。
子ども達の声「(日本代表が)5人いるからってびびらず自分たちで立ち向かっていい試合だったと思います」
山城主将「コラソンもねばっていたのでこのねばりを僕達も試合でいかしていきたいと思います」
水野主将「(子ども達の声に対して)本当にうれしいですね」「僕みたいな選手を見て目標の1つにしてくれれば、僕のやっている意義の1つにもなるし目標にしてくれたらうれしいですね」