普天間基地の辺野古への移設がどうなるのか、日米間の協議の行方が注目されますが、アセス手続きの方は粛々と進んでいます。
3回にわたる審査会を経て8日、答申が行われました。今回は、異例の住民の意見陳述や意見の募集が行われました。全部で158件の意見が寄せられました。
オスプレイ配備や滑走路の長さの変更、埋め立て土砂、ジュゴン、低周波音、騒音などなど意見は多岐にわたっていますが、このうちの48件は、手続きが無効だ、やり直せという意見です。そして158件すべてが事業に対する反対意見です。
さて、こうした意見を受けた8日の答申の中身は、どうなったんでしょうか。宮城会長は「評価書で示された環境保全措置では、事業実施区域周辺域の生活環境及び、自然環境の保全を図ることは不可能と考えられる」と話しました。
県庁では県環境影響評価審査会の宮城邦治会長が環境生活部の下地寛部長に答申を手渡しました。
答申では「環境の保全上重大な問題があり、評価書で示された環境保全措置では周辺地域の生活環境などの保全を図ることは不可能」だと指摘しています。
中でも環境影響評価手続きの最終段階でオスプレイが後出しされたことについては「環境影響評価制度の趣旨から問題がある」とし、「情報が十分に収集されていない」と述べています。
また絶滅危惧種のジュゴンについては「作業船の往来で繁殖のための移動に影響する可能性を示しているほか、生態についても十分解析されているとは言えない」と記しています。
審査会では住民や委員から「手続きを方法書の段階からやり直すべき」との意見が多く出されましたが、委員会の答申でそこまで踏み込むのは制度上無理ということで、前文の中で住民からこうした要望があったことを盛り込みました。
宮城会長は「限りなく委員の先生方の意見は中止なり、変更なりが望ましかろうという思いなんじゃないでしょうか。だと思います」と話していました。
県は飛行場建設部分については20日までに、埋め立て事業分は3月27日までに意見書を提出します。