普天間基地移設問題で全国的に注目を集める宜野湾市長選挙があさって日曜日に告示されます。現時点では元市長と新人の一騎打ちとなる公算が高く、2人の予定候補者とも短期決戦に挑みます。移設問題をはじめ、街づくり、予算のあり方など、両者の考えを伝えます。金城記者の報告です。
宜野湾市長選挙は、安里市長が去年暮れに病気療養を理由に辞任したのに伴い行われます。立候補を予定しているのは社民・社大・共産が推薦、民主党3区支部が支持する元市長の伊波洋一さんと、自民・公明が推薦する県議会議員で新人の佐喜真淳さんの2人です。
政策的には、両者とも安心安全な街づくり、市民本位の市政、経済、教育、福祉の充実など、それほど大きな違いはありません。違いは宜野湾市最大の課題、普天間基地の移設問題と、防衛予算の活用の是非です。
普天間問題で伊波さんは、県内移設に反対し、早期閉鎖と返還を訴えています。
伊波洋一さん「やはりこの(普天間の)行き先については、私はアメリカにしっかり決めてもらいたいと思います。つまりこれは日本政府が決めることも出来ないん。アメリカの言う通りになっているから。だからアメリカに決めさせる」「ですからそのことをさせるためには、私たちが(県内移設に)しっかりノーと言うことが大事だと思います」
佐喜真さんは、基地の固定化を阻止し、一日も早い県外移設。その上で、引き受ける自治体があればお願いするという考えです。
佐喜真淳さん「(普天間の)候補地があるのであれば、しっかりと宜野湾市民の総意をくみとって、世界一危険といわれるこの飛行場をすみやかに一日も早く撤去してほしい、返還してほしい。その移設先があるのであれば、私はそこへ赴き、宜野湾市長として頭を下げる」
一方、防衛予算の活用について、佐喜真さんは他の基地所在市町村が多額の防衛予算を利用して街づくりを行っているとして、防衛予算の大幅獲得を挙げています。
佐喜真淳さん「どんどん市長が求めていけばいいんです。求めて初めて風穴があいて、そこに新たな制度が出来ていく。その求めることを私は市長としてやりたいだけだ。何で19億円しかもらっていない宜野湾市でいいのか。130億円もらえるように努力しましょう」
これに対して伊波さんは、基地がある故の防衛予算。その防衛予算を使うことは、普天間基地返還問題に矛盾が生じるとして、自立発展の阻害になると指摘します。
伊波洋一さん「国のお金に頼って成長してはいけないと思います。すでに国はいまの予算の半分は借金です。そういう国に頼ってはいけません。私たちは自らの力でしっかりと発展できる、そういう仕組みを作っていきたいと思います」
基地の閉鎖、返還、それに伴う基地の跡地利用計画の策定。市民の暮らし。多くの課題が山積する宜野湾市をどのような姿にしたいのか。2人の訴えに注目が集まります。
今回の選挙ではどちらも普天間の県外移設を訴えていて争点が見えにくいように感じますが、両者の訴えをしっかりと見極める必要がありそうです。9万3000市民をはじめ、全国からも注目を集める宜野湾市長選挙は、あさって2月5日告示、12日に投開票されます。