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今日はどうやったら沖縄らしい風景を守れるかという大きなテーマについて考えます。

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8年前に「景観法」という法律ができました。景観というのは国民の財産だとはっきり位置づけたんです。日本は経済発展を優先させるあまり、山を削り海を埋めるなど長年かけて形成された農村や漁村の風景の多くを失ってきた、その反省の元に作られました。それ以前も多くの自治体などが独自に景観条例を作っていましたが法的な権限がなかった。

この景観法で、ある程度の実効性ある地域づくりが可能になったということで、県内の各自治体が今次々に景観計画を策定中です。今回は沖縄らしい風景が残っていて、映画ロケ地としても人気の今帰仁村の景観計画づくりを取材しました。

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7年前に橋が架かった古宇利島。人口およそ350人の小さな島ですが、天然記念物のジュゴンが泳ぐ海や、離島らしい素朴な風景などが魅力となり観光客も年々増えています。

先月、古宇利集落のセンターに住民ら20人が集まりました。

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今帰仁村建設課 平良成健さん「住んでいる住民にしかわからない部分だとか、みんながわかるような文化的なものだったりとか、これをどういう風に後の世界に残していくか」

今帰仁村では今、「美しい風景を教え隊、見つけ隊」と題して、市民参加のワークショップを各地で行いながら風景作り推進事業を進めています。まずは自分たちの知っている「残したい風景」を集め、午後にはみんなでそれを確認します。

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景観とは山や橋といった風景だけではなく、石垣の手触り、祭りの賑わい、波の音など、五感で感じるものすべて、という説明を受けると参加者からは「ガジュマルの木陰」や「7つあるの聖地」など、住民ならではのポイントが上がりました。一方で、危惧する声も。

水野さん「古宇利島は橋が架かって後、よくなったというのではなく非常に悪くなったという話を聞きますねえ」

平良誠保さん「トゥイミャーのそばに別荘を建てて、眺望が阻害されています。今のままでは古宇利島のあちこちにこういう建物を建て放題になって。今のうちに歯止めをかけないと古宇利島の景観は台無しになります」

小浜元区長「だけど私有地でしょ?そうするとそれを止めるだけのモノがないとどうしようもないですよ。島の土地も、手放す人はほとんど島に生活基盤のない人達なんですよ」

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村指定文化財の「遠見台」。琉球王国時代にのろしをあげた歴史的建造物です。しかし眺めがいいことから遠見台や灯台のそばには次々と建造物が立てられています。

しかし、環境条例などルールがない以上は所有者の自由であり、規制はできません。島内を走ると目立つのが「売地」の看板。橋が掛かる前は土地は「売るもの」ではなく受け継ぐものでしたが、地価が跳ね上がり、売買ラッシュになっています。

また、観光客向けの施設が増え、看板も、立て放題。

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一行は、建設中の大型観光施設予定地に行きました。ここには高さ39メートルの展望台を含むレストランができます。山の中腹に立つため、海抜100メートル近いタワーになり、島のイメージを変えるのではと心配する声も出ていました。

ここ、古宇利小学校には、島の人の憩いの場所があります。樹齢100年は優に超すというガジュマル。海を眺めながら涼む最高の場所です。

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金城一智区長「夏場でも居合わせる場所。そういう場所として皆さん利用していますね。同級生達との会話の場所にも成りますね。ガジュマルの下でちょっとゆんたくをしようとか。去年も4,5名集まりました、ビールもって?そうですね。」

島のよさを積極的にアピールしたい一方で、残したいけれど、よその人には入って欲しくない場所もあります。島でもカミンチュしか入らないウタキなどの聖地。子宝に恵まれるとインターネットなどで紹介されたこともあり、遠くからも祈願に来る人が増えました。

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書記の野口さん「お酒の瓶とかね。残るモノを残して行かれると、結局ゴミじゃないですか。そのときの気持ちは神聖な気持ちなんでしょうけど。立ち入り禁止とか、ゴミを散らかさないでとか看板を出そうかって言ってたんですけど。出せば、ああ、ココだ!って知らせているようなモノだし。立てなかったら勝手に入ってきて好きなことして帰って行くし」

信仰が厚い古宇利島の人々にとっては非常に大事な問題。一方で、アダムとイヴ伝説のある神秘的な島とアピールしています。島を発展させながら、原風景をどう守るか。環境計画だけで解決できない重い課題もあります。

参加者「景観をやっぱり守るためにはあまりこう、奇抜な建物とかはない方がいいですよね、絶対に」

今帰仁村建設課長 金城正明さん「今後はそういう全体の雰囲気とかを壊さない程度で建物とかを建てていってもらえればと思うんですけど」

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先週、各地のワークショップで集まった今帰仁村の残したい風景を総括する集いが開かれました。住民たちが自慢したい今帰仁が、スライドからあふれてきます。

参加した市民「おそらく今、僕も感動したくらいですから、10年前20年前同じ場所はもっとよかったと思う。あれが今後10年後20年後、今のままじゃないと思うし、そのためにどうしたらいいか考えたいですね」

今帰仁村では今回の成果をまとめ、それをベース景観計画を策定し、実行力のある条例作りを目指します。

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まずは住民が、地域の風景の良さに気づく、誇りを持つ。その価値を共有するというプロセスが実は一番大事なんでしょうね。条例ができましたという紙だけ渡されたら、なんだこれはとなる。

地主なら売るのも勝手。何を建てても勝手という発想では「景観」という財産は守れない。実はすばらしい景観を先祖から引き継いでいたこと。それを次に手渡すためにどうしたらいいか考えたいですね。