※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

さて、北沢さん、一川さん、そして田中さん。民主党政権になってからこれまでに3人の防衛大臣が誕生したわけですが、顔が替わっても発言の中身はいつも同じです。

23日、知事と会談した田中防衛大臣は、失言をしないよう相当意識したのか、事前に用意した原稿を読みながら「日米合意」を着実に進める方針を明らかにしました。

会談を前に、県庁前では、朝から市民グループや議員団らおよそ130人が集まり、2011年12月に国が環境影響評価書を午前4時という時間に提出したことや、辺野古への移設工事年内着工に触れた大臣発言について、「県民を愚弄している」と声を挙げました。

田中大臣を乗せた車が県庁に到着すると、参加者はさらに声を荒げ、「基地の県内移設反対」を訴えていました。こうした中、会談は予定よりも10分早く始まりました。

田中防衛大臣は「日米合意を踏まえつつ、普天間飛行場の危険性を一刻も早く除去するとともに、沖縄の負担軽減を図ることが内閣の基本的な姿勢でございます」と述べました。

田中大臣は手元の原稿に目をやりながらこのように述べ、あくまで日米合意の推進が基本線だという認識を示し、県民の理解を求めたいと繰り返しました。

これに対して仲井真知事も、辺野古への移設には時間がかかる、国内の別の地域の方が早いという、従来の見解を示し、23日も双方の意見は平行線のままでした。

会談後、仲井真知事は「辺野古がなかなか大変ですよということを、真正面から検証というかチェックをね、本当にやっておられるかどうか」「23日は大臣の言葉になかったので残念ではあるんですが」と話しました。

一方、田中大臣は「国民的な議論もしていただきながら、そして日米合意が大前提ではございますが、ぜひ多くの皆さんに参加をいただいて、国民のご理解をそしてご支援を頂きたい」と話していました。

一方、知事会談を前に嘉数高台から普天間基地を視察した田中防衛大臣、周辺の地図を見ながら、危険とされる市街地の状況を確認。

基地に隣接する普天間第二小学校周辺を飛び交う軍用機について「屋上の頭上にヘリコプターが降りてくるんだって言うんだけれども、そんなケースはそんなには多いわけじゃないんでしょう」と質問しました。

この発言について、帰任前の会見で、記者から発言の真意について問われた田中大臣は、「まだまだやはり危険なゾーンというものは、当時と2年前と変わっていないという話がありましたので、今のような発言は致しておりませんので、確認をしておきたいと思います。」と話しました。

会見で、田中大臣は2年前にも、参議院外交防衛委員会委員長として、普天間視察を行ったと話し、「当時から危険な状況がある」と強調しましたが発言の真意については改めて問われることになりそうです。