辺野古への新たな基地建設に向けた環境影響評価書の審査が始まりました。1回目の審査会は各委員の意見が、活発に飛び交い、議論はおよそ3時間に及びました。
午後1時半から始まった審査会には、特別におよそ100席の一般傍聴席が設けられ、市民や自治体関係者などでほぼ満席の状態となりました。一方、審査会の委員13人のうち、4人は欠席しました。
冒頭、会長を務める宮城邦治・沖縄国際大学教授が、防衛局の評価書提出方法を「非常識」と非難する、異例の「会長私見」で審議が始まりました。
宮城邦治会長は「米軍基地の新たな建設という沖縄の社会における将来的な課題と自然環境の保全に係る課題が内包されていることを考えたとき」「県民の一人としては了解しがたく、憤りを禁じえません」と述べました。
審議では、委員から、滑走路の長さを後から伸ばす懸念はないのか、埋め立て土砂がどこから運ばれてくるのか不明である、といった意見が相次ぎ、様々な分野で記述が不十分、かつ曖昧で、「強い知事意見が必要だ」という声が相次ぎました。
堤純一郎副会長は「事後調査、環境監視は実施しません、低周波音についても事後調査は実施しません全部実施しないんですね」「この実施しませんは全部実施しますに変えさせないといけないなというところです(拍手)」と話しました。
傍聴した女性は「ものすごくずさんなものしか出ていないので、やっぱり結論としては、方法書からやり直せということを審査会として言ってほしいと思いますね」と話しました。
宮城会長は「事業を前に進めたいという防衛局の意思の方が強く非常に強く表れた評価になっている。それで果たしていいのかと」と話します。
19日の審査会では、傍聴席の市民からも意見を述べたいという強い要望が寄せられたため、次回は、市民が意見を述べる場が設けられることになりました。
県は、そうした意見を、評価書に対する「知事意見」の中で、「付帯意見」として反映させることにしています。審査会はあと2回程度予定されていて、次は27日に開く方向で調整が進められています。