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就任したばかりの田中直紀防衛大臣の発言が、波紋を広げています。1月15日に出演したテレビ番組で、辺野古への基地建設の着工時期に触れたことで反発の声が上がっています。

田中大臣は、普天間基地の移設問題について、「年内に着工できるかどうかが、当面の手順になっているが、沖縄県民に納得してもらえなければ進まない」と述べ、県民の理解が必要だとしたものの、政府要人として初めて、着工時期に言及しました。

これに対して仲井真知事は「(今の段階で)ああだこうだ言うのもどうですかね。ちょっと大臣にも時間が必要なんじゃないですか」とコメントを避けました。

アセスの手続きは現在、評価書に対する知事意見を県が作成している段階で、飛行場建設についての審査会が1月19日に開かれることが決まっています。

こうした手続きの途中で防衛大臣が着工時期に触れたことに、地元、名護市の稲嶺市長は「評価書に対する審査がまだ始まってもない中で、もう着工の話をするというのは、それこそ建設ありきという形で進めているという政府の姿勢、そのものだろうなと思いますね」と強い不快感を示しました。

一方、藤村官房長官は、手続きの順番について話したもので、問題はないとの認識を示し、「誤解は解いていただかないといけない。『年内に埋め立てに着工する、目標にする』という発言はしていないはずです」と答えました。

当の田中大臣は1月16日、防衛省幹部に初の訓示を行い、「普天間基地の移設問題をはじめとする米軍再編につきましても、沖縄の厳しい声を真摯に受け止めながら、信頼関係を向上させていく中で、着実に進めていきたいと考えております」と話しました。

田中大臣は、1月24日の通常国会召集前に仲井真知事と会談したいとの意向も示していますが、県民の反発は避けられそうもありません。