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基地建設に反対して座り込む住民を通行妨害で訴えた国は表現の自由を侵害していると異例の勧告です。

東村高江のヘリパッド建設現場で通行の妨害をさせないよう国が裁判所に仮処分を求めた裁判について、九州弁護士会連合会は防衛局に対し表現活動に配慮するよう勧告しました。

九州弁護士会連合会のメンバーは6日、沖縄防衛局を訪れ、東村高江で進められるヘリパッド建設工事に反対する住民に対して、国が裁判所に、通行妨害を止めさせる仮処分を求めたことは、憲法21条の表現の自由の侵害にあたるとした勧告書を手渡しました。

勧告に対し沖縄防衛局は、「内容を検討して、必要であれば対応する」としています。

連合会は国がはじめに、申し立ての対象としていた15人の中には、7歳の女の子が含まれているなど、通行妨害の根拠が認められないものがあり、政治的な意図を感じざるを得ないとしています。

我那覇弁護士は「表現をすること自体が、恐ろしくてできいないと、国に何をされるか分からないといったような状況に陥ってしまってると」「表現の自由に対しての侵害が認められるのではないかという判断をいたしました」と話します。

その上で、仮処分の申し立ては、国民の表現活動を必要以上に萎縮させるもので、国の施策に反対する他の国民にも波及する恐れがあるとして、勧告したということです。

弁護士会が民事事件に対して、表現の自由に関する勧告を行ったのは全国で初めてです。