思わず口を突いて出たでは済まされない侮蔑的な発言です。普天間基地の辺野古移設に向けた環境影響評価書の提出時期を巡って、沖縄防衛局の田中局長が女性への乱暴を例えに不適切な発言をしたとされる問題で、一川防衛大臣は田中局長を更迭する意向を固めました。
羽田空港に到着した田中局長は「すみません、次官室にこれから参りますので」と話しました。小田川記者は「今、田中防衛局長が、防衛省に入ってきました。今から防衛省幹部に説明に行くとい言うことです」とレポートしました。
この問題は田中局長が28日夜、報道陣との非公式の懇談で、普天間基地の移設に必要な環境影響評価書を沖縄側に提出する時期について「これから犯す前に犯しますよと言いますか」と女性への暴力に例え発言したとされるものです。
一川防衛大臣は田中局長を防衛省に呼び、事情を聴いていますが「沖縄に大変な思いをさせた」と述べていて、田中沖縄防衛局長を更迭する方針です。
この問題を受けて政府関係者は29日午前、次のようにコメントしています。
玄葉外務大臣は「仮にもしそれが事実だったら言語道断。ただ事実関係を今、防衛省がしていると聞いている」と話し、また一川防衛大臣は「しっかりと聞いた上で対応したい。それが事実であれば、しっかりと対応しないといけない」とコメントしました。
藤村官房長官は「この事実が本当にそのままであるなら、この発言は不適切で看過できない」と話しました。
田中局長の発言を受け県民からは怒りの声が上がっています。那覇市で子どもを連れた女性は「ひどい発言だと思います。こんな人が(局長)やっていて良いのかと思います」と話し、また、ある男性は「前々からそういう感じで思っていたんでしょう。つい口に出るとは。立場に立ったら自分の発言に責任を持ってほしい」と話しています。別の男性は「冗談でも、こんなことを言うことじゃない。沖縄の人が沖縄戦で、特に女性が大変な思いをしてきたんだ、きょうまで。そしてこの沖縄を支えてきたと思ったら、こんなこと言うべきじゃない」と話しました。
名護市辺野古では「女性に対しても沖縄に対しても彼の中にある差別意識はあまりにも酷いと思います。決して許すことはできない」、またある女性は「暴力的に基地建設を強行しようといいう本質がこの言葉に凝縮されていると感じました」と話しました。