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2011年1月に沖縄市で起きた、アメリカ軍属による交通死亡事故で、玄葉外務大臣は24日、日本側で裁判権を行使することで日米が一致したことを明らかにしました。

玄葉外務大臣は「被害者が亡くなった事案などにつきまして、日本側が裁判権を行使する。これに対して米側が好意的な配慮を払う」と話します。

発表によりますと23日、日米合同委員会ではアメリカ軍属の公務中の事件・事故について、アメリカに第一次裁判権があるとしながらも、被害者が死亡するなどの事案の場合は、アメリカで刑事裁判ができない場合に限って、日本で裁判ができることで合意したということです。

事件をめぐっては、那覇地検が2011年3月に軍属の男性は「公務中だった」として不起訴としていましたが、検察審査会で起訴相当の議決が出されていました。また、軍属男性の米軍内での処分が、運転禁止5年のみの懲戒処分となるなど、日米地位協定の不平等さに批判が集まっていました。

また、今回の合意を受けて、事故の被害者である与儀功貴くんを支える会が先ほど会見を開き、池宮城弁護士は「日米地位協定17条の根本的改正ではなく、あくまで運用の改善。しかもアメリカの好意的配慮に基づいて第一次裁判権を日本に行使させることもある。喜んで受け入れる気持ちにはなれません」と批判しました。

支える会のメンバーらは「遺族が悲しみの中から声をあげて、ようやくスタート地点になった」とするものの、運用の改善に終わった今回の合意は、県民から「小手先の対応」と批判が出そうです。

那覇地検では今回の合意を受けて、これまで「公務中」として不起訴とした決定を覆し、11月25日にも起訴する見込みです。