先月オーストラリアで開催されたソーラーカーレースに県立南部工業高校の機械技術部を中心とした「チーム沖縄」が挑みました。オーストラリアの北から南のおよそ3000キロを縦断する過酷なレースに密着しました。
世界最高峰のソーラーカーレース「ワールドソーラーチャレンジ」。11回目を迎えたこのレースに今回は、20の国と地域から37チームが参加。様々なソーラーカーが観客の目を楽しませます。
中でも、唯一の高校生チームが製作したチーム沖縄のソーラーカー「レキオン」は、マスコミの取材を受けるなど注目を集めました。
優勝候補のオランダチーム「すごいと思う。オランダでも高校生がソーラーカーをつくっているけど、小さなエコカーみたいなもので、こんな本格的なものではない。がんばれ!」
29番目にスタートしたレキオン。ごぼう抜きの快走をみせます。
コーサク「やばいかな?やばいだろ」
沖縄での試走では、なかなかうまく走らなかったレキオンに、部長のコーサクも驚きを隠せません。
コーサク「確かにおれらの3年分が詰まってますからね。やばくないわけがない」
レースは、ダーウィンからアデレードの3021キロ。まさに、日本列島がすっぽり入る距離を7日間かけて走破する過酷なレースです。
レキオンを抜き去るのは、あの有名大学スタンフォード。スタンフォードとは抜きつ抜かれつを繰り返しています。
一日のレースは、午前8時から午後5時まで。5時になると止まらなければなりません。そこで夜を過ごすのです。
レース2日目には、レキオン暫定10位に浮上。
飯塚先生「追いついちゃったよ」
宿泊場所が決まったら早速テントや食事の準備。食事は、同行した父母が作ってくれます。砂漠地帯でのディナータイム。食事に虫が容赦なく飛び込んできます。
ユウキ「中に変なもの入っているなって思ったらナナフシ。食感が生まれて味わったことかったか?歯ざわり。ちょっといやだった」
ここまで順調な走りを見せるレキオンにみんな気分は上々。
コーサク「なんとスタンフォードを追い抜いて10位になってしまいました。ということでご覧ください」
スタンフォード大学を抜く瞬間、チームが撮影した映像をみてみんな大興奮です。
翌日に備え、10時過ぎにはテントへ。明かりを消すと漆黒の闇です。
朝起きて最初の仕事は、ソーラーパネルでの充電。スタートまでのわずかな時間も太陽の光は無駄にできません。
ところがこの先で山火事が発生したとの情報。スタートが4時間ほどおくれることにりました。
無線「前方、まだ燃えています。ソーラーカーちょっとセンターラインによりに走りましょう」
火がまだくすぶっていたものの、その後は順調にレースを続けたレキオン。ところが、この後もソーラーカーの天敵に遭遇。
雨です。太陽の光がないとソーラーカーは、走れません。途中のポイントで陽が指すのを待つことに・・・。
太陽光での完走を断念したチームのソーラーカーが続々と運ばれていきます。
山火事に雨、そして風も強くなり、自然の驚異を見せ付けられたレキオン。
祈るものの太陽は、中々顔を見せてくれません。ここで3年間の戦いが終わってしまうのか?複雑な思いが頭の中を巡ります。
飯塚先生「もうしゃあない。全距離完走なんか絶対に無理」
先生の口から出たのは、思いもかけない完走断念の言葉。
果たして3000キロの道のりを彼らは、どう乗り越えるのでしょうか・・・。
今回のレースは37チーム中上位3チームだけが完走できたという非常に厳しいレースでした。果てしなく続く砂漠地帯でほとんど雨の降らない地域なのですが、珍しく雨、そして竜巻、火事と自然の驚異を見せ付けられました。
チーム沖縄はこの大会に出場するまで3年。テレメンタリーでは、レースでの勝負だけでなく、葛藤や苦境を経験しながら成長する生徒たちの姿を放送します。