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Qリポートです。国内ではおよそ350万人が感染しているといわれるB型・C型肝炎。人口割りにすると沖縄にも4万人の感染者がいることになります。今年8月沖縄にも患者の会が設立されましたが、病気に対する理解や治療体制は万全とはいえません。

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今回取材した女性が感染したC型肝炎は7、8割の確率で慢性肝炎となり、のちに肝硬変や肝臓ガンの原因になるといわれています。

当初彼女は、周囲への影響を考え顔出しでのインタビューを控えていましたが取材中に顔を出すことを決心、彼女の思いを聞きました。

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古典舞踊を学ぶこちらの女性。踊りを始めた19年前C型肝炎と診断されました。最近まで病気のことは周囲に隠していました。

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踊りの仲間たちと病気について話す「1人で孤独との闘いですよ、言えない、苦しい」「言っちゃいけないの?」「言っていいんですよ、でも」「まわりが偏見の目で見ちゃう」「偏見、感染症はうつるってネーミングがね」

B型C型肝炎は空気感染や経口感染する病気ではなく、通常の生活で感染することはほぼありませんが、その理解はまだ深まっていません。

C型肝炎を広げた原因の1つといわれる血液製剤フィブリノゲン。公表された納入医療機関のリストには、以前彼女が出産時の妊娠中毒症で入院していた施設も含まれていました。しかし当時のカルテはすでに処分されていて、原因は不明のままです。

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それでもその新聞記事を今でも捨てることはできません。19年間の病気の苦しみを伝えたい。この日彼女はある決意をしていました。

「(Q.顔出しは大丈夫なんでしょうか?)よろしいです」

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宮城三代子さん「苦しんで悩んでいる方がいらっしゃるんであれば、治療して副作用も克服して安心して生活できることをPRしたいと」

C型やB型肝炎は、医療行政の不備が感染を拡大させたとして去年1月国はその責任を認め、肝炎対策基本法を施行しました。

しかしその体制は万全でないと、宮城さんも入会する患者の会沖縄代表の徳良さんは語ります。

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全ての肝炎患者の救済を求める沖縄の会 徳良代表「基本法っていうのは全ての人たち肝臓病の人たちに網のもれがない、それが基本法だと思います」「沖縄県はいろんな対応が遅れていると思います」

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厚生労働省は肝炎の総合対策として国や県が指定する3つの医療機関が連携し、病気の予防や治療にあたることをすすめていますが、県内の専門医療機関は現在「ゼロ」。九州沖縄では唯一指定がありません。

県内の肝臓専門医はわずか17人(全国4828人)です。

さらに2009年に設置された県の肝炎対策協議会も、第1回大会の開催以降1度も開かれていない状況です。

医療機関に勤める宮城さんでさえ、担当の専門医を見つけられない時期がありました。

宮城三代子さん「どうなるのかなって思いました、専門の先生がどこの医療機関にいるかわからなかったので」

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ようやく3年前、琉大の前城医師と出会った宮城さん。おととしからインターフェロンの投薬治療を始めました。

しかしそれは壮絶な副作用との闘いの始まり。宮城さんはこのように記しています。

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「歩行時呼吸困難階段が上がれない」「眼底出血」「抜け毛が多くなった」「食べられない」

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56キロあった体重は42キロまで落ちました。それでも仕事はほとんど休まず続けました。

それは大好きな看護師として責務。同僚の上間さんはそう感じたといいます。

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上間鈴美さん「なんていうのかな、いつたおれるかわからない姿を見ながら、(施設の)利用者のためにがんばらないといけないとここまで来ていたんじゃないかなと思います」「もう自慢ですよ」

そして彼女を支えたのはもう1人。

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「ちょうど(孫が)生まれたときに治療を始めたということで、孫のために、かわいい、早く抱っこしたいだとか」

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「85歳平均年齢まで生きたいと」

宮城さんは今インターフェロンの治療を終え、肝炎ウィルスの値は陰性が続いています。来月最後の検査で陰性であればほぼ完治だということです。

肝炎の人に検査・治療する勇気をもってほしい。そして周囲の人には病気への偏見を持たないでほしい。それが宮城さんの願いです。

宮城三代子さん「(完治に近づいて)本当にうれしいです、涙が出るほどうれしいです」「(完治したら)今まで以上に人生を楽しもうと思っています」

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感染していても発病してない人も多いんですよね、感染しているかどうかわかる方法はありますか?

はい、全国で一番遅いスタートなんですが、沖縄でも来年4月から各保健所で無料で検査を受けられる予定です。肝炎は、病気の不安や周囲の偏見、副作用との闘いなど、周りの理解がなければ克服できない病気です。肝炎に関する正しい知識の啓発が今後さらに重要になってくると思います。