普天間基地の辺野古移設を説得しようと、相次いでいる大臣たちの沖縄詣で。18日から沖縄を訪れている玄葉外務大臣も名護市の稲嶺市長や仲井真知事と会談しました。稲嶺市長に対し、辺野古移設に理解を求めた大臣でしたが、市長からは、きっぱりと断られた形となりました。
稲嶺市長は、会談で玄葉大臣に「市民との約束をどんなことがあろうとも、最後まで信念を貫く決意でありますので」と伝えました。
稲嶺市長は自身が選挙公約に掲げた「海にも陸にも新しい基地を造らせない」という市民との約束を最後まで貫くと強い口調でのべ、辺野古移設を白紙に戻すよう訴えました。また「政府辺野古移設に固執し続けたことが現在の混乱につながった」と政府を厳しく批判しました。
これに対して玄葉大臣は、日米合意を進展させていくのが基本的考えとした上で次のように述べました。玄葉大臣は「努力試みられたことについては一定のご理解をいただければと思っています」と話しました。
稲嶺市長は「ほとんど政府が県外ということについて試みをしたとか、あるいは努力をしたとか、ほとんど県民には見られない」「それは私はもう辺野古には造らせませんと言っているわけですから、それ以上の話は、前には進まない、進みようがない」とと話しました。
玄葉大臣は、午後4時から県庁で仲井真知事と会談しました。玄葉大臣は、2012年の島サミットや地元福島の話には大きな声に笑顔で応じていましたが、基地問題になると途端にトーンダウン。
(仲井真知事)「名護には行きましたか?」(玄葉大臣)「それは厳しい対応でございました…。」「あの、まぁできるだけ丁寧に、説明させていただくということで…」玄葉大臣は、日本を取り巻く安全保障の厳しさを日米合意推進の理由に挙げましたが、仲井真知事は会見後、「そういうことは誰でも知ってる話でしょ。昨日今日起こったことではない。(納得いく説明?)ノーコメントにしときましょう・・・(歩き去る)」
秋山記者は「さて那覇市に戻った玄葉大臣、これから市町村会会長らと会談に入りますが大臣側から迎えるという不思議なスタートとなりました」とリポートしました。
大臣から思わず「ようこそ」と迎え始まった会談には県市町村会の翁長会長と北部市町村会の儀武会長が出席しました。
冒頭の挨拶であえて基地問題には触れなかった玄葉大臣に対して、翁長市長は「私からすると他の都道府県の方に話をしていただいて理解を得てほしい」「沖縄だけでこうして(基地移設の)話をするのは筋違いかなと」と話しました。
翁長市長は短い期間で変わっていく内閣に毎回同じ説明を繰り返すのは残念だと不快感をあらわにし、安全保障は全国で考えるべきだと厳しい口調で伝えると玄葉大臣の顔は厳しい表情に変わっていました。会談はおよそ30分で終了、こちらでも話し合いは平行線となりました。
一方、県庁前では19日大臣来県に抗議する集会が開かれ県内の各労組や市民団体などおよそ150人が集まり、大臣を乗せた車に向かって抗議の声をあげました。
参加者は口々に「基地の重圧を押し付けるな」「大臣は沖縄よりもまずアメリカと交渉すべき」とシュプレヒコールをあげていました。