Qリポートです。きょうは開業から8年を迎えたゆいレールについてお伝えします。
浦添への延伸も正式に動き始めましたが、依然、経営上の課題も抱えています。きょうは就任したばかりの仲吉社長に、ゆいレールの将来像を伺いました。草柳記者です。
ゆいレールが開業したのは2003年8月。戦後初の軌道車両が沖縄に誕生しました。そして今年4月、開業8年目にして、ゆいレールの乗客は、ついに1億人の大台を突破しました。
県民や観光客に定着しつつ、一方で課題も抱える沖縄都市モノレールの社長に就任したのが、長く沖縄の経済界を見つめてきた、仲吉良次氏です。
仲吉社長「私のキャリアといいますか、元銀行にいたこと、銀行とはまた違う会社を経営していたことですね、そんなことなど含めて新しい交通業界に転身をすることになりましたけれど一番話題になっている財務会計上の問題とかですね。そういうことについても、もう少し専門的なところでお手伝いできるんじゃないかと」
開業以来、順調に乗客数を伸ばしてきたゆいレールですが、一日平均の乗客数は、2008年度をピークにほぼ頭打ちの状態です。今年3月期の決算では、累積赤字が115億円に上っていて、42億円の債務超過に陥っています。
仲吉社長「債務超過であるとか、累積損失が大きいとか世間に誤解を与えていると思いますので」「この会社は償却前の利益、損益というのは黒字です。6億円のオーダーでずっと黒字です」
利益は出ているのに、赤字。最大の理由は、当初の膨大な建設費用です。
仲吉社長「それが累積損とかあるいは債務超過と言われているのはですね、当初の1000億あまるですね、膨大な初期投資の減価償却を負担させられてますので。計算上は平成30年、ですから7年後ですね、には単年度黒字になります」
草柳記者「こちらが現在の終点首里駅です。モノレールはここからこちらの方向に4.1キロ、西原インターまで延長される計画になっています」
先月、沖縄都市モノレールは、現在の終点首里駅から、沖縄自動車道の西原インターまでの路線延伸を申請しました。総工費350億円、モノレール社も120億円を負担します。
延伸ルートは、浦添市の住宅地を通り、新たに設けられる西原のスマートICまでの4.1キロ。4つの駅が新設される計画です。完成すれば、周辺住民の利便性はかなり高まりそうです。
浦添市民「いいんじゃないですか、できた方が。(便利になる?)まぁ10年後ですけど」
浦添市民「賛成というか、どういう風になるのかなぁという不安もあり、便利になるねっていううれしい言葉もあり」
浦添市民「浦添の人はこの辺一帯利用できるので、那覇にも車もっていかなくてもいいので、あった方がいいかな、経済効果もあるんじゃないかと思います」
草柳記者「モノレールはちょうどこの辺りで高速道路と結ばれます。モノレールから車へ、そして車からモノレールへという乗り換えを進める狙いがあるんです」
仲吉社長「公共交通機関の軸としてですね、南北を貫く一本の線が出来ます。これがまぁ非常に意味としては大きいと。私どもとしては当然最終駅にはですね、1000台からの大駐車場を作ってですね、パーク&ライドの本格的なものをこれから実行しようという風に思ってますので、当然中北部のお客様にもですね、そこに止めてもらって、ゆいレールに乗って、定時定速のあるいは環境にやさしい乗り物をですね、体得してもらう、実感してもらう」
早ければ再来年にも着工予定の浦添ルートの開業は、8年後の2019年を予定しています。浦添ルートの工事を軌道に乗せ、同時に経営体質の改善も図る。仲吉社長に難しい舵取りが託されました。