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2012年度以降、八重山地区の中学校で使用される公民教科書の採択を巡って混乱が続く中、八重山地区の教育委員が全員で構成する教育委員協会の臨時会が9月8日に開催されることなり、統一の教科書採択に向けて大きな局面を迎えます。

八重山教育委員協会は、八重山の共通の教育行政の問題について検討し、解決を図る目的で組織されていて、毎年5月に定例総会を開催しています。

今回、八重山採択地区協議会は、現場教師たちから歴史認識の記述などで批判が多い育鵬社版の公民教科書を答申しましたが、地区の各教育委員会の採択が分かれ、地区で統一した教科書を採択できないまま委員の任期切れで役目を終えています。

さらに県が9月2日、「早急な解決」を求める通知を各教育委員長に送り、問題の解決を図るため、協会は9月8日午後に、臨時会を開く異例の事態となっています。

平和教育を考える会の高嶋伸欣共同代表は「中学校の社会科、歴史・公民の教科書、これが大変危険な方向にむかっているんではないかと、数年来言われていた動きの、ある意味、集大成の出来事」だと警鐘を鳴らしました。

一方、9月4日は那覇市内で教科書採択問題を巡る報告集会が開かれました。育鵬社版の教科書の問題点について、加藤裕弁護士は、「現憲法についてしっかり解説されておらず、学習のポイントが全く分からない」と批判した上で、「日本国憲法によって人権が保障される社会に変わっていった。これが最も重要な事実なわけです。しかしながら、40ページと41ページを読むと、何も書いていない」と批判しました。

集会では育鵬社版の教科書を採択しないよう求める緊急アピールが行われました。