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協議会の委員の任期が先月で切れていたにもかかわらず、採択問題が動いていたというのは驚きです。ではここで長年、教科書問題に取り組んできた市民団体は、今回の問題をどのように見ているのでしょうか。

「子どもと教科書全国ネット21」では、全国の教科書採択状況を調べています。今年はこれまでに少なくとも9地区で、育鵬社版の教科書が採択されたということです。

俵義文事務局長「現場の教員の意見などは無視して、教育委員会であれば教育委員の投票で、いわば勝手な判断で投票して決めることができるという風にやっているのが、例えば神奈川県横浜のやり方とか、共通している。そういうやり方を今年は全国でやろうというふうに、つまり『横浜方式』を全国にやるというのを方針として打ち出してやってきたわけです」

なぜ今、八重山なのか−。

俵義文事務局長「八重山地域における自衛隊配備、そして米軍との一体化という基地問題を積極的に推進していくという、そういう意図がこの教科書採択の背景に私はあると思う」

解決策は?

俵義文事務局長「現場の人たちが、その地域の子どもたちの教育にとってどの教科書がふさわしいかというのは一番よく知ってるわけです。その意見を最大限尊重して選ぶということです。県の教育委員会は採択地区の採択について、指導・助言をしなければいけないということになっています。だから私は県の教育委員会がきちんと見解を示して指導・助言をして、この事態を解決するために役割を果たすべきだと思います」

今回のごたごたの背景が俵さんの指摘で見えたような気がします。子どもたちの教育にとってふさわしい教科書は現場の先生方が知っている。まさにその通りでしょう。