※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。
来年度以降の中学校用の教科書の採択手続きをめぐり揺れる八重山地区では、23日の採択協議会に注目が集まっています。22日も市民団体が採択の在り方を巡って抗議の会見を開く一方で、石垣市の教育長は選定手続きの正統性を強調しました。
退職教職員らで構成する「おきなわ教育支援ネットワーク」の代表らは県庁で会見を開き、「新しい歴史教科書をつくる会」の系統の教科書は、住民の集団自決について歴史の事実を歪曲していると指摘。教科書を選定する調査員から現場教員が排除されたことは、戦争を美化する教科書の採択につながる可能性があると批判しました。
また「沖縄・女性9条の会」は「つくる会」系の教科書は、集団自決の記述や日本の他国への侵略、加害の事実、植民地支配についての記述もほとんどないとして「5年後、10年後に主権者となる子どもたちの教科書にはふさわしくない」と訴えました。
一方、八重山採択地区協議会の会長でもある石垣市の玉津教育長は石垣市内で会見を開き、採択方法の変更によって、より質の高い議論ができると強調しました。また玉津教育長は「複数推薦制という新たに考え出した方法によって、先生方(調査員)の意見はしっかりと吸い上げてきた次第です」と述べ、現場の教員が教科書の順位をつける制度を廃止したことで、初めて協議会の委員が教科書を選定することができると話しました。