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八重山地区の歴史教科書の採択をめぐる問題は、各方面に大きな波紋を広げています。8月19日も各種団体の抗議が相次ぎました。

問題の発端となった石垣市では、「子どもと教科書を考える市民会議」が、育鵬社、自由社版の教科書を採択しないよう求める決議文を、市教育長でもある玉津博克・教科用図書八重山採択地区協議会の会長に手渡しました。

決議文では「玉津教育長主導の拙速で杜撰な規約改定と強引な協議会運営」で、2社の教科書が採択されようとしていると、警戒感をあらわにしています。

一方、県庁では退職教職員らで構成する反基地ネットワークのメンバーらが会見し「この問題は八重山だけの問題ではなく、先島への自衛隊配備も含めた日本の軍事化の大きな流れの中にある」と指摘。2つの出版社の教科書を採択しないよう声明を発表しました。

また、波平恒男琉球大学教授は、「学問的な手続きとはまったく別個に、教科書の採択を一種の政治運動としてやろうとしているわけです」と指摘。県内外の大学教授らも「2社の教科書はこどもたちにふさわしくない」とする緊急アピールを行いました。

アピールには大学教授や海外の研究者、文化人など379人が賛同。自由主義主観系の教科書採択の動きが沖縄から出てきたことに、懸念と抗議の意思を表明しました。