6月21日、日米両政府が普天間基地の移設先を、名護市辺野古とすることで合意したのを受けて、仲井真知事は6月27日、菅総理大臣に対し、極めて遺憾であり、辺野古は難しいとの考えを伝えました。
総理官邸に菅総理を訪ねた仲井真知事は、6月21日に開かれた日米安全保障協議委員会、2プラス2で、日米両政府が普天間基地の移設先として、名護市辺野古にV字形の滑走路を造ることで合意したことに対し、極めて遺憾だと抗議し、あらためて県外移設を進めるよう求めました。
仲井真知事は、「県外をお願いしたいと、あれから一年、強くお願いしていた。残念ながらまた辺野古に戻るというのは極めて遺憾であると」と抗議。これに対して菅総理大臣は、「今申し上げているやり方で(移設が)決まらないという状況に戻っているんじゃないかということで、そこは沖縄の皆さんにとっては、厳しい意見があるということは重々承知しております」と述べるだけでした。
会談後、仲井真知事は「(辺野古に)実行することが極めて難しい。したがって時間がかかるというよりは、むしろ沖縄以外の他府県に、私は海外へということを言っていませんが、他府県に移ることを検討した方が早いですよということをずっと申し上げているんで。負担軽減で取り組むという話がありながら、具体的に一つもない。極端に言いますと、これは本当に結果を出してくれないと」と不快感を示しました。
また仲井真知事はこの後、枝野官房長官や北沢防衛大臣などとも足早に会談。普天間基地の移設と一体的に進められることになっている嘉手納以南にあるアメリカ軍施設の返還について、普天間の返還とは関係なく早く実現するよう求めたほか、オスプレイに配備についてあらためて反対の意向を伝えました。
一方、宜野湾市の安里市長は、6月27日、知事と総理の会談を受け、「菅総理の認識は誤っている」と述べました。
安里宜野湾市長は「宜野湾市としても、今回の知事の行動と共に連携して、普天間問題にあたっていきたいと思っています。菅総理の認識が私は誤っていると思います」と述べました。
そして安里市長は、日本政府はこれまでの日米両政府の確認を踏襲することではなく、早めに沖縄の基地負担軽減を図っていくことを考えるべきだと述べました。