夏の甲子園の出場切符をかけた全国高校野球選手権沖縄大会はいよいよ明日開幕します。今年の沖縄大会の有力校、話題校を15校を紹介してきためざせ甲子園学校紹介もきょうが最終回。去年の県大会の準優勝校で今年第1シードの糸満高校です。
強い強いと言われ続けたチームは、この夏を前に、野球の原点に戻っていました。
春の県大会、2年連続で決勝戦に勝ち進んだ糸満は8回、嘉手納に追いつかれ同点とされるも、自力に勝る糸満は9回、キャプテン宮城拓幸のサヨナラータイムリーで逃げ切り、2年連続春の頂点、夏の第1シード権を勝ち取った。
また、今年の糸満は1月の野球部対抗競技力大会で2年連続の総合1位。全8種目中、実に4種目で1位を獲得したのだ。
総合力、さらに身体能力でもトップを走る糸満、今年の戦力は?
上原忠監督の評価はご覧のとおり。打撃力、機動力には4点をつけ、自信を見せる。
その打撃力、注目のクリーンナップは3番は神里和毅。父は33年前、豊見城高校時代黄金期のエースで夏の甲子園ベスト8に入ったメンバー。競技力大会、100メートル走では11秒37で個人総合1位。
続く4番はドラフト注目の選手、宮城知秀。去年のチームでも3番を打ち、この春の県大会では1試合に2本のホームランを放つ。さらに100メートル走で神里に続く個人2位、俊足・強打の4番だ。
5番は先発メンバー唯一の2年生・上原佑介。春の県大会では打率4割5分でチーム1の打率を誇った。
一方、投手力は夏のエースに山城翼。MAX136キロながらも制球力においてはチーム1、信頼が置ける投手。
また、春の防御率は0.00。チーム最速141キロの加藤智也は、山城と最後まで夏のエース争いを演じた。さらに、春のエースナンバーを背負った宮城竜など、競いあった4人の投手が夏のマウンドを守る。
去年の準優勝チームで、競技力大会2連覇。春の大会優勝など。輝かしい実績が並ぶ今年の糸満。しかし・・・。
宮城拓幸主将「逆に優勝しなかったほうが良かったと思った時期もあった」
栄光の裏でチームに生まれた油断。春以降、その影が大きくなり始めていた。
神里和毅中堅手「頂上とって、ちょっと驕ってて。九州大会でもそれで負けたりして」
その驕りを打ち砕く出来事が起きた。先月、日大三校との招待野球。11安打の6点の日大三に対し、糸満は散発7安打無得点。完封負けを喫したのだ・・・。打ち砕かれた自信・・・。
現在糸満高校は改築工事のため、グラウンドには3学年分のプレハブが並び、9割が使えない状態だ。夏を前に、思う存分野球ができない・・・。しかし、この状況もまた、自分たちの足元を見つめ直すきっかけになった。
もう一度原点に!泥臭い野球をやろう!そこには、これまでの栄光を脱ぎ捨てた糸満ナインの思いがあった
宮城拓幸主将「勝つためには何でもやろうっていう」
宮城知秀遊撃手「いつでも泥臭く一球に集中する。守備でも際どいプレーはしっかり飛び込むくらいの気持ちで」
大城誉也選手「泥臭く思いっきり全部、全力走塁や全力送球、全て全力でやろうと頑張っています」
山城芳則部長「(練習で)こだわった分だけ試合では自信をもってできる。なんでもないプレーはできるんだけど、こういった細かいところを絶対こだわろう。とことん」
泥臭く、チーム一丸!糸満、栄光への階段を上る夏が始まる!
宮城拓幸主将「一戦一戦、悔いが残らないように。夏には必ず甲子園にいきたいです」
山城翼投手「去年果たせなかった悔しい思いを、甲子園出場を勝ち取りたいです」