めざせ甲子園、9校目のきょうは中部農林です。
高校野球の夢に挑むのは男子部員だけではありません。マネージャーではなく、プレーヤーとして、一緒に夢を追いかけたい。そんな女子野球部員とナインおこの夏へかける思いです。
中部農林高校3年生・松田由利亜さん。1年生の時、高校野球に憧れて入部しました。普段は普通の女子高校生ですが・・・。
由利亜さんは、県内で史上5人目の女子野球部員です。
由利亜さん「小学生の頃にも何度かお母さんに(野球が)やりたい!と言っていたんですけど、やっぱ長女だったので、女の子はやったらダメ!って言われてて」
野球を始めることに、お母さんは強く反対したと言います。それでも-。
由利亜さん「(高校では)自分で決めたことをやろうと思って。(お母さんは)もう勝手にしなさい!って言われて」
母の反対を押し切ってでも始めた野球。その思いはどこから来たのでしょうか?
由利亜さん「高校球児ならではの熱さみたいのが(惹かれた理由)じゃないですかね。」
マネージャー「超カッコイイな~って思いました」「男子部員と一緒に毎日同じメニューをこなしたり、たまにノッカーとかしてて凄いな~って思っています」
比嘉翔投手「最初はマネージャーだと思ったんですけど、部員と聞いてビックリした。男がいっぱいいる中で最後まで、ここまで来ているので、尊敬しています」
具志堅興律監督「野球をする気持ち、野球に対する思い。全てにおいて僕のほうが頭が下がります」
今ではノッカーも務めるまでに成長し、後輩の憧れにもなっている由利亜さんですが、はじめた頃はまったくの素人。アザやケガも絶えませんでした。
由利亜さん「(最初は)キャッチボールも、男子の速い球なので、取り損ねた時に足とかに当たったりして。痛かったけど、それもちょっと嬉しかったです。野球をやってるんだな~って」
女子野球部員は高校野球の規程で、公式試合には出場することができませんが、練習試合なら相手チームが同意してくれればOK!
先月の練習試合にも出場しました。その由利亜さんの様子に、バックネットから声援を送る人が・・・。野球をやることに反対していた由利亜さんのお母さんでした。
母・操さん「頑張っていけば、女の子でも出来る。男の子の中でも、好きな物を貫く。やっぱり泣いてでもいけることを彼女はここで学んだんじゃないかなと思う」
父・清春さん「一生懸命なのはわかる。練習をたまに見る時もあるけど、やっぱり(男子に)負けてはいないと思う」
由利亜さんのひたむきさは、両親の心を動かしました。二人は由利亜さんの練習試合の時には、時間をつくって応援に駆けつけてくれています。
今年、由利亜さんに憧れて、二人の1年生も入部しました。
由利亜さん「やっぱり勝ちたいです、笑顔で。一勝は夢というか、目標にしていたので、一勝を達成したい」
公式戦で勝利が遠ざかっている中部農林。新チームになって、まだ勝ったことがありません。“一勝”その目標に向かって!
外間湧貴主将「自分達3年生は残り夏まで一ヶ月ちょっとしかないから。どれだけ前と違って変われるか。一人ひとりだよ。みんなの力が必要だから。一勝するためにお願いな」
最後の夏をスタンドで迎える女子野球部員!勝利の女神になれ!
由利亜さん「一勝はしたい・・・。まだ皆と野球がしたいのでちょっと続いてほしいなとは思います」
平良夢樹さん「3年間、男子の中で頑張ってきたので、最後はやっぱり胴上げとかして送りだしたいです」
外間湧貴主将「どうしても由利亜に勝利をプレゼントしたいと自分達は考えています。勝利という文字に向かいながら一生懸命頑張りたいです」
比嘉翔投手「(自分は)やっぱりエースとして出るので、スタンドにいる由利亜とか、父母の方の分まで、少しでもいい試合が出来ればいいと思っています」
「一勝するぞ~!お~~~っ!」
現在県内の野球部には由利亜さんを含め女子部員が実は5人もいるんですが3年生は由利亜さんだけ。「夏の一勝」挙げてほしいですね。
さて、明日のめざせ甲子園は中部商業です。また明日は注目の組合せ抽選会も行われ、夏の初戦カードが決定します。