夏甲子園をかけた沖縄大会が今月18日開幕するのを前に今年の注目校、話題校を紹介する「めざせ甲子園!」5校目のきょうは那覇国際高校です。
この春、ナインにとっては入学後初の公式戦勝利を飾ったチームには、固い友情という「絆」がありました。
県立那覇国際高校。毎年、国公立大学に多くの合格者を出す県内有数の進学校だ。
勉強中心の学校にあって53人いる野球部員も、成績が落ちれば部活動は禁止。さらに、練習時間もわずかに1時間半。他のチームに比べれば極端に少ない時間だ。
そんな那覇国際が、この春の県大会で一つの結果を残した。それがこの写真だ。
春季大会1回戦。那覇国際は第3シードの首里東と対戦。延長までもつれた試合は12回裏、那覇国際のサヨナラ逆転タイムリーで劇的な一勝を飾った。実に3年ぶりの公式戦勝利だった。
仲本友晃捕手「(勝って)校歌が流れて皆で歌っているときに、スタンドを見たら、先輩もクラスの友だちとかも来てて皆嬉しそうだった」
ベンチもスタンドも、まるで優勝したかのような騒ぎだったというのだが、その瞬間をスタンドで撮影していた仲本くんのお母さんのビデオがある。8番山里のサヨナラタイムリーの瞬間、スタンドはお母さん達の絶叫に包まれ、涙涙で撮影どころではなかったという。カメラも選手に焦点があっていない。これでは、審判がメインだ。
仲本捕手「家に帰って撮られていたビデオを観たら、興奮して全然映ってなくて」
劇的勝利に勢いづいた那覇国際は続く2回戦、沖縄水産戦では5点差をひっくり返す逆転劇でこの春ベスト16入り、話題を集めた。
この勝利の影には冬場、一切の練習試合を止めて、基礎体力のアップに力を入れたこと。そして、何よりもナインの固い友情があった。
「ハッピバースディトウユー♪」
この日、3年生の又吉くんのために誕生日会が開かれていた。次々とプレゼントまで手渡される。野球部では、仲間の誕生日会は必ずやっていて、去年は手作りのケーキまで作ってくる部員もいたという。また、お昼のランチも皆、一緒。どれだけ仲が良いのだ。
今年のチームのモットーはナインで考えた「粉骨砕身」。「骨を粉にし、身を砕くほど努力する」その象徴とも言える選手がいた。
饒平名広武主将「黙々と練習をする姿は、チームの皆に影響を与えていると思います」
根間映寿投手。春公式戦でマウンドに立つことはなかったが根、間くんのひたむきさは他のナインに強い刺激を与えていた。
その根間くん、すごいのは練習に取り組む姿勢だけではない。彼の席次を聞いてみると…。
根間映寿投手「一番です」
一度も塾に通ったこともないという根間くんは、那覇国際で席次1番という秀才ピッチャーなのだ。
文武両道、粉骨砕身!この夏、那覇国際が再び奇跡を起こす!
金城裕介監督「学校で授業に集中して、それをプレーに活かすというふうに、何か繋がっているものはあると思う。そのあたりも生徒達も感じつつある」
与平名広武主将「進学校だから一回戦で負けて良いとは思っていないし、だからこの夏、絶対一勝を獲りにいくという気持ちで、悔いを残さないように頑張っていきたいです」
根間映寿投手「夏までに少ないチャンスかもしれないですけど(レギュラーを)ものにできるように毎日の練習を大事にしていきたいと思います」
マカーティ・ジャシュア一塁手「春の大会粘り強さを見せましたので、夏の大会では大躍進を遂げて、世間を驚かせるような良いチームになりたいと思います」
『待ってろ甲子園!』