稲嶺名護市長「きょう私たちは屈辱の日を迎えた」
降りしきる雨の中、普天間基地の辺野古移設を明記した日米合意の撤回を求めておよそ1200人が怒りの声をあげたこの日から1年。
仲井真知事「共同発表の見直し、普天間は県内へと申し上げてきて、2,3週間前に北沢大臣にも要請書を提出しました。まだそういう方向の検討がされているところは見えないので、極めて遺憾に思います」
日米合意からあすでちょうど1年になるのを前にこう語った仲井真知事。しかし…。
島袋記者「名護市辺野古のキャンプシュワブ沖合にいます。こちらの方から見ても、新しい建物や道路などが並んでいるのが見えます」
代替施設の建設予定地となっている名護市辺野古。知事や名護市長の理解は得られず、滑走路建設に向けた埋め立て工事には着手できませんが、基地内では普天間からの軍人、軍属の転入に伴う人口の増加にそなえ、兵舎や庁舎などの建設が着々と進められています。
沖縄防衛局によりますと、すでに下士官宿舎や管理棟、船艇整備場などの工事は完了。2007年度と2008年度だけでおよそ107億円もの費用が執行されているということです。
しかし、沖縄以外からもこの計画が難しいという見方が出ています。アメリカ議会におかれた独立調査機関であるアメリカ会計監査院は、在日アメリカ軍再編の日米両政府の負担総額が291億ドル、日本円で2兆4000億円に上るという報告書を発表しました。財政難から軍事費用の削減が至上命題となっているアメリカ。アメリカ上院議会の実力者・レビン軍事委員長はきのう改めて声明を出し「現行案の見直し」を求めています。
こうした状況に県内では…。
稲嶺名護市長「変わったというより、より一段と厳しくなったということは言えるんじゃないでしょうか。日米両政府は実効性のない、実現不可能な計画だということをはっきり認識すべきだと思います」
普天間基地の返還合意から15年。日米両国の状況が大きく変わり、当初の計画が非現実的なものとなりつつある中、政府の思い切った方針転換が迫られそうです。