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Qリポートです。東日本大震災では、学校も波にのまれ、多くの子供たちが犠牲になりました。海に囲まれた島、沖縄の学校では、どのような津波対策が取られているのでしょうか。草柳記者です。

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東日本大震災。犠牲者の多くは津波に流されました。巨大津波に対して、どんな対策をとればよいのか、学校現場でも苦悩が続いています。

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県教育庁では、10年前に危機管理マニュアルを作成していました。

教育庁保健体育課 平良智枝子 健康体育監「平成13年に作成された危機管理マニュアルがありますけれど、その内容は不審者侵入対策について、火災・地震・津波・台風対策について」「残念ながら津波に関しては詳細に記述はされていないんですね」

昨年度1年間の、学校での避難訓練実施状況です。火災を想定した訓練は多くの学校で実施されていますが、津波となると、極端に実施率が低いのが分かります。

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教育庁は、今回の震災を受けて、各学校に通知を出し、津波の際の避難場所や避難経路の確認を指示し、独自のマニュアルを提出するよう求めています。

教育庁保健体育課 平良智枝子 健康体育監「避難訓練ですね、それをしっかりと、実際に先生方の役割を決め、子供たちの避難経路を決め、実際に訓練をしていただきたい」

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県内には海のすぐそばにある学校も多く、高台まで距離がある学校も少なくありません。各学校では、避難場所をどこにするのか、子どもたちをどのように誘導するのか、今、対策作りに追われています。

天妃小学校 辺土名則子校長「最上階の方に避難させることで計画を立てています」「(津波の)程度によっては、避難場所を学校からよそに移すということも検討していかないといけないかなとは考えています」

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天妃小学校の避難場所は、校舎の屋上。ビルの6階程度の高さにあたります。しかしプールがあるため、全校児童500人以上を収容するのは難しそうです。

天妃小学校 辺土名則子校長「うちの子供だけで500名ですが、地域の方も来る可能性があるということからすると、ここだけでは十分ではないところもあるので、やはりそういう部分も情報交換をしながら分散した形でみんなが避難できる状況というのは、みんなで検討していく必要も大切だろう」

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海抜わずか70㎝の埋め立て地にある古蔵中学校です。この学校では、震災の1カ月後、地震と津波を想定した避難訓練を行い、さらに生徒に対する意識調査を行いました。

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アンケート結果「きょうはまあ真剣にやっていたけれど、本番になるととっても緊張して怖くなって、今日みたいにうまくいかないと思うので次もちゃんと訓練したい」

アンケート結果「地震の後のテレビはどこを付けてもニュースで、不謹慎ですが「お笑い番組が見たいー」とか思っていた。なんだか申し訳ない気持ちになった。訓練に真剣に取り組むことができて良かった」

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古蔵中学校 上地幸市校長「担当の先生が、うちの学校は0.7mしかないんだよ海抜、ということを子どもたちに伝えるとですね、ほんとにびっくりしていまして、現実のものとして受け止めている感じがしましたですね」

古蔵中学校は、津波の際には高台にある古蔵小学校などに避難することにしています。この日は、校長以下4人の先生が、実際に小学校までの経路を歩いて安全なルートを探しました。

実際に歩いてみると、想像以上に細い路地があったり、行き止まりだったりと、思わぬ発見がありました。

古蔵中学校 下地ゆかり先生「道が入り組んでいるので人数が多くなるとまっすぐ歩かせるのも大変なので」

古蔵中学校 根路銘国斗教頭「子供から学ぶのも多そうだね。子供からこの辺の状況を学びながら、先生たちと一緒に避難経路を作っていきたいなぁと思いますね」

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古蔵中学校 上地幸市校長「私たちでできることというのは限られていますので」「意見交換しながら計画を作っていくということのイニシアチブをどこが取るのかなということも私個人として課題として受け止めているんですけどね」

数百人の命を預かる教育現場で、どのようにして子どもたちを守るのか。先生たちが大きな宿題に取り組み始めました。