スイム、バイク、ランと総距離200.195キロで争われた全日本トライアスロン宮古島大会。東日本大震災の復興支援大会として開催されたこの大会出場選手の1人、仙台在住の秋山優さんは宮古島のある家族に励まされ、出場を決意しました。
東北への支援に対する感謝の思いも胸に宮城県仙台市から全日本トライアスロン宮古島大会に挑んだ秋山優さん。
秋山さんは去年の大会から松原さん夫婦が経営する民宿「ばんが家(ばんがや)」さんに宿泊しています。
松原敬子さん「(震災後)連絡が取れないときは不安になった、びっくりしたよ。きのうも2人を見たとき泣いちゃって」
仙台で被災し、大会への参加に迷いを抱いた秋山さん。そんな秋山さんを励ましたのは民宿のご主人の彦文さんでした。
松原彦文さん「東北の皆さんへの声援は多いはずだし。復興支援という大会にしようっていう事務局・宮古の思いを肌で感じることができるのは彼しかいないはずなんだ。出ないとわからない、特に今年はでるべきだと」
秋山さんのTシャツには「感謝」と「絆」の文字。
秋山さん「東北に住んでいる人たちの1人として、全国に感謝です」
敬子さんは近所の農家に呼びかけて秋山さんを応援する看板を制作。宮古島の方言で「アララガマ」とは「負けてたまるか」と自分を奮い立たせる意味が込められています。
敬子さん「宮古の人はみんなこの言葉で乗り越えてきているからさ、アララガマで。だいじょうぶよ」
秋山さん「もうやるしかないですね」
秋山さんは3キロのスイムを無事終了。秋山さん順調そうです。
敬子さん、そして妻の知恵子さんは看板の前で秋山の到着を待ちます。
「204番(秋山さん)来たよ~」「良かった~」「元気元気!まだまだいける」
そして最後のラン、フルマラソンに入りました。
折り返しをすぎて秋山さんの足は限界に近づいていました。気温はお昼をすぎてぐんぐん上がっていきます。最後の力を振り絞ります。
秋山さん「とにかく足を止めない。支援は止まっていない、自分も足を止めないって気持ちで」
秋山さん「ありがとうございました。本当にあきらめないで来た甲斐がありました。絆が伝わってくる本当に貴重な存在です」
仙台と宮古島の「きずな」で達成したゴール。敬子さんの目には涙が光っていました。
南国宮古島から送られたエールそれは参加者ひとりひとりの心に刻み込まれその「きずな」はより一層深いものになったようです。