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65年前の年末、まだ食べるのにも困るような物不足の中、貴重な漆を探し出し、仕事を始めた職人がいました。
収容所の中で作られた嫁入り道具の衣裳櫃。本来ならば漆器になるはずでしたが、漆が手に入らず、表面にはニスとペンキが塗られています。
漆はおろか、食べるものさえも不足していた65年前の年末、苦労の末に闇市で漆を見つけ出し、いち早く仕事を初めた職人がいました。「塗りの神様」と呼ばれた阿波連克仁さんです。
伊佐節子さん「とにかく祖父はもう、琉球漆器のことしか考えない人でしたから。これが無ければ、自分ではないという感じで、本当にいち早くやりたかったのだと思います」
古くから沖縄の特産品だった琉球漆器。戦後は、アメリカ兵の土産物としても人気でした。
阿波連さんたちが作った漆器のほとんどは戦争で焼失しましたが、職人の技や誇りは今に受け継がれています。