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政権交代から1年あまり。沖縄では多くの県民が普天間問題の解決を期待しましたが、それも間もなく、落胆へと変わり、今や、解決の糸口も見つかっていません。こうした中、県民と党本部の板挟みになった民主党沖縄県連を取材しました。

先月28日に実施された県知事選挙。その行方を複雑な思いで見守るのは衆議院議員の瑞慶覧長敏さんです。

瑞慶覧長敏衆議院議員「政権交代して1年2か月という短い期間で、こういた形で知事選を迎えるとは想像していなかったし…。」

政権政党でありながら、県知事選挙に候補者を擁立できなかった民主党。その背景には党本部と県連とのねじれがありました。

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鳩山前首相「県外移設を目指すという考え方を変えるつもりはあません。」政権交代の前から県民に普天間基地の県外移設を約束していた鳩山前総理。しかし…。 鳩山前首相「普天間の代替地は沖縄県内に。辺野古の付近にお願いせざるをえないと。

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わずか8カ月での方針転換。政府は普天間基地の辺野古移設を明記した「日米合意」を結んだのです。普天間基地の県外移設を掲げて当選した瑞慶覧さんたちは党本部と県民の板挟みになりました。

瑞慶覧長敏衆議院議員「我々が本土の民主党とは違う。沖縄の民主党は絶対に許さない。」

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迎えた知事選挙。民主党沖縄県連は普天間基地の県外移設を掲げる候補を独自に擁立しようと考えます。しかし党本部は釘をさしました。

民主党 渡辺 周 選対委員長「党本部と一体となってですね、同じ方向を向いている人を応援する、支援するのが当然ですから。」日米合意に反対する人は応援できない。これが党の方針でした。これを受けて県連は党の顔色を伺うかのような行動に出ます。 民主党県連 新垣 安弘 幹事長「県連としても日米合意を尊重する立場である。ただし辺野古移設については県民の合意は得られておらず、不可能という立場に変更はない。

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日米合意は尊重するも辺野古移設は不可能という矛盾した内容。独自候補の擁立を認めてもらうための苦肉の策でした。しかし結果は。

民主党県連 喜納昌吉 代表「県知事選挙について独自候補は立てず、自主投票で臨む。」県連は、県知事選挙に候補者を擁立することができなかったのです。

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さらに党本部は、県外移設を主張する候補を応援することに圧力をかけました。民主党 岡田 克也 幹事長「節度ある慎重な行動を要請するというのが原則としてございます。」一連の混乱の中で、県連で足並みの乱れも生じていました。選挙への対応を巡り、意見が対立。県連副幹事長の山内末子県議会議員が離党届を提出したのです。

民主党県連 山内 末子 県議会議員「党本部は資質が問われる。そういうことを党がやっていいのか。」党の方針に従うべきか、それとも県民との約束を果たすために最後まで抵抗すべきか揺れる瑞慶覧さんら議員たち。

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瑞慶覧長敏衆議院議員「苦しいですね。何か辛くないですか?それは野暮な質問ですよね。」

普天間基地の県外移設を掲げ当選した民主党議員の苦悩や板挟みになる県連の姿は改めて政権交代の意義を問いかけています。